月に一度の計測が終わると、決まって、コーチから「筋肉の大切さを伝えたい人はいますか?」と尋ねられます。その問いに私は決まって、こう答えます。「はい、Tさんに」コーチは「今回もTさんに伝えてくれるのですネ。ありがとうございます」と言って、当月のカーブスのご招待カード(勝手にこのように言っている)を手渡してくれます。いつも驚かされるのは、コーチ達のコミュニケーションの濃密さです。その日の内に全コーチから「今回もTさんに伝えてくれるそうですネ」と御礼を言われるのです。

 2年以上も前になります。私は服用している高血圧のお薬をもらいにいつもの調剤薬局に行きました。そこで担当してくれたのが40代と思しきTさんという女性の薬剤師さんでした。Tさんは初対面の私をまじまじと見てから「山本さん!とってもお元気ですネ。何故、そんなにイキイキしてらっしゃるのですか?」と聞いてきました。高血圧の降圧剤を処方してもらっている立場の私が薬剤師さんから「元気ですネ」等と誉められるのも何ともおかしなことだなと思いつつ、私は声を張り上げて、「私、カーブスに通っているんです」と答えました。するとTさんは目を輝かせて「やっぱりネ~!絶対に何かやっていると思いました。実は私肩凝りや腰痛に悩んでいて、カーブスに、とっても興味があるんです」と矢継早にカーブスについての質問を重ねてきました。
「本当に30分で終えられるの?」
「ストレッチの時間を合わせても30分で終わりますよ」
「効果は本当にあるの?」
「人それぞれ色々な効果を得ていると思うけど私にとって一番嬉しい効果は身体が締ったことですネ。カーブスに通う前は片手で摑める程の脇の贅肉があったのだけど今は固くて摑めないですよ。(ホラッ!と言ってウエストを触らせた。)それから体力がアップして風邪も引かなくなりましたネ。自分自身とても驚いたんだけどインフルエンザに患った孫に添寝しても感染しなかったんですよ。しかも私はどちらかというと病弱だったんです。その要因のひとつとして、気が付けば35℃台の体温が36℃台に上っていて免疫力がアップした為かと思っています。その他の効果としては、生活にメリハリが出来たことですネ。3年前に45年間勤務した会社の定年退職を迎えて、自分はこの後どうなるのかと不安でしたがカーブスが居場所を提供してくれ、今では、カーブスに通うことがライフスタイルの一環となり生活のリズムが出来ているのです。それに有難いことに親友と呼べる友人も出来ましたよ」
 Tさんは、私の話を聞いて、「今すぐにでもカーブスに入会したい。けれど、毎日の家事と仕事に加え、二人の子供達の学校やスポ少等の送迎があり自分の時間は全然無いの」と嘆いておりました。
 私は自分が町内の奥さんからカーブスを紹介していただき、効果を得たことにとても感謝をしているのでTさんにも「時間は自分で作るのですよ」等と言って入会をお推めしたのですが、彼女の想いはなかなか行動につながりません。

 初日は、30分も薬局に滞在して、Tさんと、カーブス談議をしました。それ以来、毎月薬をもらいに行く度にTさんにカーブスのご招待カードを手渡しました。Tさんがお休みで手渡し出来なかった時には手紙に同封して薬局宛に送付しました。伴せて毎月発行される「たんぱく質レシピ」も渡し、大変喜ばれました。
 このように毎月、毎月カードをTさんにお渡しし、気が付けば2年の月日が流れていました。私は、Tさんに、一日でも早くカーブスを体験してほしいと願っていましたが決して無理強いはしたくないという気持ちでおりました。只、カーブスのことをもっと知ってほしいと思い、薬局を訪れる度にカーブスの情報を伝えております。
 その一例として、最近話した内容は次のことです。ひとつは「フードドライブ活動」で、カーブスでは毎年2月に私達メンバーから家庭での不用品を集めて、地域の施設に提供していること。この活動は、健康増進を推進するカーブスの役割を伴せて、SDGsに関わる社会貢献活動なので、正にグローバル企業と言えます。今年は三施設に合計120kgの食品を寄付しました。
 また、コーチについては、次のようなことを伝えました。お店のコーチの中には、美術的、芸術的センス抜群の女性がいて毎月貼り替えられる掲示物を見るのが楽しみです。店内の壁面の至る所には、その月のテーマに添ったポスター等が貼られているのですが、その手作りの作品がコーチ達の写真を活用したもので、とてもユニークなのです。今月はどんなおもしろい掲示物かなと楽しみにしているのは私だけではありません。
 また、一年半前に他店に異動になったコーチが今年当店の店長として戻って来ました。娘のようなコーチ達の成長の姿を目の当りに出来ることは幸せなことです。

 毎回Tさんにカーブスの話をして、彼女の「行きた~い!」に「待ってるよ~」と答えて帰って来る私。でもTさんがその一歩を踏み出すことはない。この2年間、その繰り返しでしたが、この行為を決して不毛な行動だとは思いません。いつか、必ず、Tさん自身の意志の基に、カーブスを訪れてくれると信じています。

 今月も「誰か筋肉の大切さを伝えたい人はおりますか?」というコーチの問いに「Tさんに」と答える私。コーチ達は「いつか来てくれるといいですネ」とやさしく応援してくれます。
 ひとつ心配なのは、Tさんに、「もっと早くカーブスに来ればよかった」と後悔させることです。