-少し休もう-
 「おめでとう。」がんの宣告はこの言葉からでした。私が、「えっ!何のこと?」という表情をしていると「早期に見つかってよかったね。だから大丈夫。」と先生は続けて話されました。その時の私は不思議に落ち着いていて手術への不安とか死への恐怖が全くなく、むしろこれで仕事が休めるという思いの方が強かったのです。がん宣告の一年前から休日返上で、一日も休みなく仕事をしていました。多忙を極めていて、心も体も限界に達していたのです。その頃の生活は、朝七時前に家を出て日中はトイレに行く暇もなく、一日中必死で働いていました。水分を摂る時間もないくらいの日々でしたから、よく頭が痛くなり、ほっておくと吐きそうになってしまうので、鎮痛剤が手放せませんでした。そんな生活をしているのですから病気になるのは当然のことです。こんな私を見て、神様が少し休みなさいと病気を通して時間を与えてくださったのだと思わされ、治療に臨みました。
-母への感謝-
 休職期間が終わり、職場復帰をしたのが二月だったので、退職するのか仕事を続けるのか、その決断を迫られました。このまま辞めたら楽になれるけれど...。私にはその決断をすることができないでいました。すると、主人と母が、そこまで迷っているならできるところまで続けてみたらと背中を押してくれたのです。それで、病気をする前のような働き方ではなく、自分のペースで焦らず仕事をしていけばいいと自分に言い聞かせ、続ける決断をしました。決断をしてから退職するまでの六年は、一年、一年を区切りとする歩みでしたが、主人と母の支えがあり無事に定年まで勤めることができたのです。もう限界の状態から病気を経て、ここまで来ることができたのは奇跡でした。
 退職して、ずっと想い続けてきた、憧れの専業主婦になりました。今までできなかった、母と一緒にゆったり過ごす時間、道の駅巡りをしたりバス旅行に行ったりと楽しいひと時を満喫していましたが、長くは続きませんでした。母が病気になり入退院を繰り返し、恐れていた骨折を起こし、寝たきりとなってしまいました。介護生活の始まりです。母は、私がフルタイムで仕事をしていたので、二人の孫、娘と息子を母親の私に代わって育ててくれました。仕事にまっしぐらで、朝出て行ったらいつ帰るかもわからない私に愚痴一つ言わず面倒を見てくれたのです。母には感謝しかありません。なので、恩返しの気持ちも込めて介護をしていますが、簡単なことではありません。想像以上に大変で、人間ができていない私は、つい相手が傷つく言葉を発し、自己嫌悪に陥る始末です。それと、母は身長も体重も随分小さくなり軽くなったのですが、体力のない私にとって母の体を持ち上げる作業はとても大変で、体のいたるところが痛み出し、腰痛で動けなくなることも出てきたのです。あわせて、胃を切除してから食が細くなり、栄養の吸収も悪いため、年々血糖値やコレステロールの数値が高くなってきました。かかりつけのお医者さんからは、「こんなに筋肉がないと長生きできないよ。毎日しっかり歩きなさい。」と言われ、今ある症状の改善に向けて、毎朝歩き始めました。三か月近く休まずに続け、期待して血液検査を受けましたが結果はよくありませんでした。腰痛も改善せず、何をしたらいいのか悩んでいた時に、定年後に始めたラジオ体操の良さを伝える活動に参加しているお仲間さんから「筋肉をつけることが大事です。いつまでも元気に動きたいですよね。」のメッセージと共にカーブスへの招待チケットが届きました。届いてすぐには動けなかったのですが、ある日(今日行かなきゃ)という思いに駆り立てられ、カーブスに向かいました。何の連絡もせず突然行ったのに、すぐに対応してくださって体験の予約を取ることができました。体験の日、二つのマシンを使ったのですが、今まで感じたことのない感覚を味わいました。二つやっただけなのに体が軽くなったのです。なんでだろう?頭の中は?だらけでした。筋肉チェックでは、自分の体力のなさを思い知らされましたが、体が軽くなり今まで感じたことのない心地よさに、これを続ければ母の介護も元気にできるようになるかもしれないと確信しました。自分が元気でなければいい介護はできないし、つぶやいてばかりでいたら母への感謝は伝わらないと思い、カーブスを始めることにしたのです。
-前向きになれない私が前向きに-
 カーブスを始めるようになり、今までと違う自分に変化してきていることを実感しています。一つ目は、水分をほとんど摂らなかったのに30分の間に500ミリの水が飲めるようになったこと。二つ目は、猫背・まき肩・そり腰の三つを持っていて、姿勢が悪いため内臓が下がって妊婦のようなポッコリお腹。これが嫌で仕方がなかったのに、腹圧を意識するようになり、諦めていたお腹が少しずつへこんできたこと。腹圧の意識によりコーチからも「姿勢が良くなってきましたね。」と言われてニタニタしている私です。もっと早くカーブスに来ていたら、ぽっこりお腹でこんなに長い間悩むことはなかったのにと思いましたが、これを教えていただいて本当に良かったです。だからいつもコーチには「一番を頑張ります。」と言い続けています。三つ目は、たんぱく質を摂ることの大切さを学んだこと。これを知ることにより今までの食事がどれだけ良くなかったのかを思い知らされました。仕事人間で料理は簡単なものしか作れず、母に頼りきっていたので、栄養面ではかなり偏っていたと思います。カーブスに行く度にコーチがたんぱく質の大切さを伝えて下さるので、毎日の食事を作るのに意識が変化してきました。また、カーブスレシピをもらうのが嬉しくて、もらったらすぐに家で作っています。家族は私が今まで作ったことのないお料理が食卓に並ぶので、「これもカーブスレシピ?」「そう。」と答えると「カーブスのレシピはとってもおいしいね。」と喜んでくれています。お料理の下手な私がお料理上手になったようで、食事の時間が楽しくなります。母は食事の量が少なくなってきましたが、カーブスレシピの時は残さず食べてくれています。嬉しさ倍増ですね。四つ目は、痛みからの解放です。日々の介護で腰痛と肘の痛みが強く、痛みと付き合いながらの筋トレですが、徐々に痛みが弱くなり、一年以上通った整体を卒業することができました。五つ目は、血糖値やコレステロールの数値が下がってきたことの驚きです。今までいろいろなことを試してきたのに、数値は一向に下がらず困っていましたが、筋トレを続けてきたことで少しずつ結果が表れてきました。ただ毎月の計測では、頑張っても成果につながらない月もあり、へこんでしまうこともありますが、カーブスに来てるからこそこんなにも自分の体のことを考えることができるようになったんだと思いました。へこんだときは、コーチが優しく声をかけ励ましてくださいます。なかなか前向きになれない私ですが、頑張った自分をほめて、「カーブスは花マルを見つけるところ」を合言葉に、元気がない時も少しずつ自分のペースで前を向いて進んでいけたらいいなと思います。私も十年以上続けてみえる先輩を目指してコツコツと頑張っていきたいです。