スーパーブルームーンと名付けられた満月。輝きに驚くと共にふと万葉の時代、月の光に誘われて友との家に行く道すがら良寛さんが詠んだ句が浮かんだ。「月よみの光をまちてかへりませ山路は栗のいがの多きにと」阿部定珍の訪問を受け喜んで清談をかわした。お月様の光を待ってお帰りをと、何と優雅な言葉だろう。いつ迄もおひきとめしたい気持ちを優しさで包み込み悠久の時を経てロマンをかきたてられる。
詩吟の伝位別競吟大会が行われ、私はまだ初心者なので無段の部で発表する事が出来、日頃の練習の成果が発揮出来無事終了。参加者はベテラン揃いで良い勉強になり有意義な一日となった。我が教室で奥伝の部で優勝された先輩に拍手を添えて健闘をたたえたい。
「脳と体と心のサプリメント」楽しく吟じて健康寿命を延ばそう。秋の市民祭では、詩吟を披露出来て、今回のテーマは学問の神様として名を残され幼少の頃からの作品を、先輩達が発表した。五歳の時の和歌に始まり大宰府に流刑となった苦しい時を過ごし、それでも沢山の漢詩や和歌を詠んでいる。「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花、主なしとて春を忘るな」は、余りにも有名な和歌で詩吟に興味のない人でも判ってくれたのではないだろうか。私の担当は九月十日とのお題で、帝に伝えていた清涼殿の場、お香でたきしめられた御衣を懐かしむ様子を表現している。
カーブスでの姿勢の大切、詩吟でのお腹から声を出す事に効果がある。昨年の発表会で、合吟で二人で参加した相手の方が闘病生活を送りながらも命を燃やし続けたが、晩夏の頃に鬼籍に入られた。学校生活は共に過ごしていないが奇しくも同じ年齢で一抹の寂しさは拭えない。
生老病死は避けられぬ。アリスの谷村新司さんも七十四歳で黄泉の国へ。青春時代の思い出の曲を沢山作られ、音楽の力を日本だけでなく中国にも多大の影響を与え日中の掛け橋となって活躍された。「冬の稲妻」のフレーズが今でも頭に浮かんでくる。青ざめた心をふるわせて、私の心を駆けぬけていった曲のイメージにぴったり。チャンピオンの歌詞の中で、ナンバーワンになれなくてもオンリーワンを目ざせ。スポーツの世界の苛酷な試練を乗り越えてもトップに立てない人が大勢いる中で、挫折を味わってもそれを糧にして欲しいとの願いが籠っていると感じさせられた。我は行く。自分の道を。他人を気にせずにと。この言葉が大好きだ。
作家の伊集院静さんの訃報も悲しい出来事だ。彼の父親は十一歳の時に韓国からひとりで海を越えて渡り、母親は日本で生まれた韓国人の二世で四番目にやっと誕生した男児として育てられ跡継ぎを大切にする家風の中で育った。幼い頃に友達が韓国に帰って行き、その後の消息も判らないそうだ。人は決して一人では生きていけるのもではないと、いろんな本からの語りかけがある。異民族の中での忌まわしい戦争が絶えない。ウクライナの戦禍その上、ガザ地方のあどけない子供達の笑顔が消え、大人達の勝手な行動に振りまわされている小さな命。十七歳で海の事故で弟さんを亡くされ有名な女優さんとの永遠の別れを経験し作家としての地位を築く迄のいろんな苦労が読み取れる。
絵本「もうじきたべられるぼく」という題名の本に出合った。「ぼくはうしだからもうじきたべられる」産んでくれたお母さんに会いたい。そんな思いを秘めたぼくが決意して向かった行き先。ひろびろとした草原で遠くから眺めたお母さんは、ぼくの弟や妹と楽しそうに過ごしている。お母さんの幸せを感じ取りながらも、でも「ぼくもうじき食べられる。せめてぼくを食べた人が自分のいのちを大切にしてくれたらいいな」との語りかけで物語は終わりだが、この最後のつぶやき何と重みが。孫達が「給食残さず食べているよ」と時々報告してくれる。飽食の時代にどう伝えれば良いのかと考えさせられる。この世の万物の命を頂いて生きている事の大切さを、この絵本から教えられた気がする。絵本の世界も大人になってからでも充分に楽しむ事が出来る。
二十五歳の息子さんを交通事故で亡くされた方とカーブスが終わってから駐車場で話をする機会があり、子供に先立たれた時の親の気持ちいかばかりか。生きる苦しみ、生かされているとの感謝が、その方から伝わってきた。又、違った方で孫が同級生の人と出会い、その方は着付け師の仕事を何十年もやってこられて私より十歳位若い人です。まだ十年は仕事を続けたいそうでご立派です。就寝前に今日の一日に感謝して明日も元気で過ごせます様にと祈りながら眠りに就かれるとの事、見習わねばと思った。この方もカーブス友達です。
十一月八日はいい歯の日。口から考える認知症。二〇二七年には高齢者の五人に一人が認知症になると言われて久しい。この数字から考えると誰が罹患してもおかしくない。幸せの記憶、食べる事の大切さ、それには口腔内の健康をいつ迄も維持して自分の歯で噛んで、食事を楽しむ事が大切だ。定期的な歯の検診、痛みがなくても三カ月毎に診療を受けている。年齢を重ねると噛む力が弱くなりがちなので、硬い物を敬遠してしまう。誤嚥性肺炎予防協会の歯科医が、食べ物が食道をスムーズに通る為には姿勢が大事。背中が丸まっているとむせやすくなるそうだ。嚥下機能を維持する努力として、深呼吸を繰り返したり、腹から声を出す事が良いとの事。
深まる秋の小春日和の好天に恵まれた日に、お茶会の招待を受け一服頂いてきた。コロナ禍の為にお茶碗の使い回しを避け、いろんな亭主さんの心使いが感じられた。お茶室の安らぎが、心癒される空間だった。
老いを愉しむ。寿命ではなく余命で考える。余命の考え方は無限のゴールにただ走っていく足し算の考え方だそうだ。七〇歳の年に平均寿命で女性は約十六年程。しかし平均余命で女性は二〇年のかなり伸びを示す。このプラス思考をすると気持ちが楽になると本の著者は説く。難しいことはそっちにおいて、ただゴールに向かって走っていけばいい。人とのつながることの大切さで一番大切にすべきは、夫婦だと言い切る作家もいた。男性と女性は身体のつくりが違う。女性は「感情の交流」を目的。男性は「問題解決」を目的として会話しているのだそうだ。確かに。お互いに年を重ねるとこの会話のずれで摩擦がおきる。そんな時、この違いを思い出して日々を過ごそう。
一月一日能登半島でM7の強い地震が発生して自然災害の恐怖を見せつけられた。生と死の隣合わせの現実。復旧作業に関わっている人達のご苦労は計りしれない。寒さに加えて感染症の心配も増すばかり。一日も早い復興を願うばかりだ。名作「ローマの休日」に出演し、王女様役での可憐な姿が印象的なオードリー・ヘプバーンの語録によると「最も大事なことは人生を楽しむこと、幸せを感じること、それがすべて」生き永らえて感じる事はこれに尽きる。ささいな日常の幸せを満喫し、生きている事を楽しむ。
十一月から飲み始めたプロテインのギャバと米麹。胃腸が丈夫になり、以前はお通じが毎日無くて悩んでいたし、ギャバは夜中の覚醒が緩和されて体調が良くなった。プロテインは毎日欠かさず飲んで次回の配達迄には飲み切る事が出来ている。二月の測定日には便通が良くなった効果だろうか、体重が〇.八キロダウンした。膝や腰への負担を軽くしたいので、体重のコントロールにも気を付けている。八十代に突入したが、血管年齢五十六歳。体年齢が六十一歳と実年齢より二〇歳も若いとは驚きだ。まだまだ頑張れる。筋肉量を増やす食生活、そしてカーブスに通い続ける事。これを、八十代を生き抜く突破口にしたい。
佳作
「八十代の壁を突き破れ」
カーブスって
どんな運動?