カーブスに通い始めて13年。雨の日も風の日も自転車をこいでゆく。20分という距離が爽快で心地良い。家系的にもポッチャリーで子育ても終わりタイミングがあっての入会。まさか、自分がこんなに長い間通い続けているなんて、夢にも思わなかった。その間、人生の転換期を向かえ、息子の学費を出し、美容室を続け、両親の最期を看取るという3つの偉業を成し遂げた。
 3年も経つと、単調な毎日の暮らしと平穏な日々が続き、痩せない自分にも腹が立ち、"辞めたい病"にかかった。しかし、コーチの掛け声と"魔法の手"に根負けし今に至るのである。

 「こんにちは」扉を開いた所から、カーブスは始まる。店内は明るく、メンバー達の元気な姿が視界に広がる。"ここはおばさんの聖地。オシャレもせず本来そのままの姿、ジャージでウロウロ出来る。最高の幸せだ"と、私は勝手に思い込んでいる。
 午前中は元気いっぱいの人、夕方近く閉店間際は仕事疲れで無口な人が多いなと感じながら、後者に混じって12の運動機器を使いこなす。日頃外に出る機会が少ないので、適度な運動とステップボードに乗りゆっくり足を動かす、それだけで気持ちいい。腕や足を通すと無心になり、夢中で機械を動かす。「キュッ、キュッ」と油圧式の音がする。ノリの良い音楽とも調和し、1周を回った頃から、その日の疲れや嫌な出来事もフッ飛んでくる。2周丁度回ったら体も心もリラックスして自然と笑顔が出る。水もグビグビ飲んで、これまたサイコー。そして、鬼コーチ(笑)がやってきてお腹にそっと手を当ててくれる"手のひら"には愛情すら感じる。私達のゆるゆるにたるんだお腹がポコンとへこむのだから不思議だ。何度も繰り返す事で、お腹に自分で力を入れ、腹圧を意識できる様導いてくれた。ここまで徹底しているから続けられる。人に自信持って勧められる。頑張れる。
 私はカーブスに通って、沢山の人と出会い、生易しく中途半端で終わる仕事はなく、何をしても責任というものがついて回るという事を勉強した。
 父と母の介護が同時に来た時は、さすがに迷った。家で看る為には通うべきか、辞めるのか、休むのか。そんな事を考えるだけでも酷いのか、優しいのか、誰のためなのか、何が良いのか。考え方次第で、みな幸せにも不幸にもなれる。私は、最大の危機を笑顔で過ごせた。これからもまだ色々な未知の事が起こりそうだが、前を向いていける。一日がんばった自分へのご褒美、カーブスがあるから。

 追伸
母とも通ったカーブス。今も妹と通っているよ。行き帰り見守っていてね。―天国の母へ―