「10年ですか。5年ですか。」
「10年でお願いします。」
役所へパスポート申請に出かけた際の会話だ。帰り道、10年後ってもう何歳になるのかと思わなくもなかったが、いやいやいくつになっても空を飛ぶ気力は失せたくないからと、自分を鼓舞した。
カーブスでお世話になって9年目になる。入会時の体力測定では、腹筋が1回もできなかったことが思い出される。歯科治療や美容院のシャンプー台から起こされる時、台に体を委ねることなく、自力で起きあがるよう努めた。今でこそ毎月の腹筋計測はないが、自宅で机の端に足を掛け、腕をクロスして起きてみると、難なくできるようになった。年齢は重ねたが、筋力は入会時より増していると自画自賛。
食事には以前より配慮し、日課のようにカーブス通いを続けている。とはいえ、私だって今日は面倒だなと、怠け虫の誘惑に乗りそうな時も少なからずある。でも、いざマシーンを前にすると、コーチからの指導のもと基本に忠実に、負荷をかけ、腹筋を使い、他事を考えず、ただひたすら没頭するようにしている。
カーブス入会の頃は、海外へ出かけることなど考えたこともなかった。30年程前に失効したパスポートは更新することなく、この年になり、体力・気力はもちろんだが、親の介護やコロナ禍のこともあり、夢のようなことだった。年金暮らしで金銭的な理由も否めなかったが。
こうして前向きになれたのも、カーブスを続けているからだ。航空チケット、ESTA、WiFi、旅行保険の手続きも、旅行社に頼ることなく、錆びついた頭を回転させ自力で行った。
さて、この投稿を終えると、私は機上の人となる。一人旅なんて数十年ぶりのこと。十三時間のフライトの後、スマホ片手に異国の地に降り立つ。ピンクに髪を染めた肝っ玉ばあさんが、そこに居るはず。
カーブスに感謝あるのみ。人生の終盤にカーブスに出会えたことが、最高の好運である。更に、心良く送り出してくれた夫にも、心をこめてありがとうと感謝を伝えたい。
佳作
「私とカーブス」
カーブスって
どんな運動?