カーブスに通い始めて3年が過ぎた。大勢の人が体重が減ったとか体脂肪が、ウエストがサイズダウンしたとか書いたり言ったりしている。教室はいつも賑わっている。指導員の方も懸命に指導してくれている。皆さん本当に楽しそうだ、
 私はと言えば3年通っておおむね変化なし、体重もサイズも効果があったと言えるほどのものでない。原因は月に3回か4回程度しか通わないからだと自覚している。
 
 50歳を過ぎた頃、血糖値が高いから体重を減らすのと運動をすることを薦められてスポーツジムに通い始めた。始めの10年近くはフルタイムの仕事を持っていたので週に1度、定年退職してからは一念発起して水泳に挑戦、全く泳げなかったが25メートルが泳げるようにもなった。何よりスポーツジムが自宅から近かったので夜間に懸命に通っていた。
 それなのに、ああ、それなのに・・・。あの新型コロナの騒動でスポーツジムが撤退してしまったのだ。別に通っていた大手のカルチャーセンターまでが事業から撤退してしまったので10年以上続けていた朗読にも別れることとなった。コロナ騒動で世の中は様変わりしてしまった。
 
 しかたないから「運動は自宅で自分が計画してやろう」と志は立てた。その他にもエッセイ教室に入ったり友人とランチ、94歳を筆頭に6人もいる姉や兄の連絡係や応援に声がかかる。なにやかやと結構忙しい。そんな中、大きな忘れ事をしていたことに気付いた。「計画を立てても計画通り実施できない性格の私」だということを。

 60歳まで仕事を持っていたからやるべきことは仕事も家事もやってきたつもりであるが、こと運動になるとつい後回しになってしまう。登山やハイキングは沢山してきた。それで運動したつもりにもなっていた。スポーツジムに行かなくなって高齢にもなって登山も行かなくなって「これではだめになる」と思ったとき、ふと目にしたのがカーブスの広告だった。
 思い立ったら吉日、おためしもしないで即76歳で入会した。三回ぐらいは指導員が機器の使い方を指導してくれた。スポーツジムにあった機器に比べると小さくて簡易なのに驚いた。それに30秒でくるくる回る忙しさになじむのに時間を要した。
 通うことになった教室まで4キロある。天気の良い日は自転車で外気を胸いっぱい吸いながら往復する。天気が悪いと駅まで15分歩いて電車で1駅、これも運動だと思えば苦にならない。教室には親しい友人もいないからひたすら運動に没頭する。短時間の運動教室では友人は不要だ。ついおしゃべりしたくなるからだ。そうして教室を出ると、ランチやコーヒーを1人でゆっくり味わって帰る。読書タイムでもある。これは指導員から見れば不肖の生徒であるが私にとっては至福の時となっているのだ。少し運動をした気分に浸って次は心にも栄養を与えることも大切と思うからである。
 健康のためとか、サイズを減らす目的に夢中にならなくとも私のように心と体をリフレッシュすることにカーブスを利用する生徒がいても良いと自負している。多忙な一週間の中の1日をカーブスに行くことが目下の目標にしている。別の教室に入っている友人は「最低でも週に3日は行かないともったいないよ」と言う。「もっと回数を増やさないと今、流行り言葉のコスパが高くなるよ」とも。「会費分の元を取れないよ」「カーブスに入っているのに体変わらないね」「少し体が締まったような気もするけど」などと友人たちは勝手な事を言う。だけど私流でと決めている。
 教室は違うが84歳の姉も67歳の姪もカーブスの生徒だ。電話で最初の言葉は「カーブスに行っている?」が合言葉になっている。2人とも健康で生き生きと生活している。カーブス歴は私よりずっと長い。筋肉運動の成果を自慢できる日は来るか来ないかわからないけれど、カーブスが生活の一部になっていることはたしかだ。
 
 最近、「きょういくする」との言葉を耳にするが、それは「今日行く所がある、今日する事がある」それが心の張りとなり健康につながるとの考えだ。今、まさしくそれを実感している。「あっ、今日は予定がない。カーブスヘ行こう」の一日となる。いつでも行けるところがある、体のためにもなる、この安心感がコスパが高かろうがカーブス会員を続ける一番の理由である。
 
 熱心に指導してくれる教室の指導員の方々にはダメな生徒でも見守っていてください。そして結果ばかりを求めないでください。私は楽しく通っています。今までもこれからも心身の健康が続くことを信じて。カーブスで健康にしてもらうのでなく、カーブスを利用して心身の健康を手にする気概の人が増えると嬉しいなと感じるこのごろです。