義母にカーブスを勧めたのは10年ほど前のことだったでしょうか。

 奈良に住んでいた母が、家の事情で千葉県に引っ越してきました。「仕事も辞めたし、体の調子もよくない。それに、千葉にはお友達がいない」と引っ越し当初はいつも愚痴をこぼしていました。私が「千葉市〇〇区 女性・スポーツ」と検索すると、徒歩10分の所にカーブスがありました。「お友達も出来るかも。一度体験に行ってみたら?」そう勧めたのです。義母は毎日のように通い始めました。
 「今日は寒いけれど、カーブスに行った」「カーブスのスタッフからほめられた」「カーブスでお友達が出来たのよ」と、毎日のようにカーブスの話を楽しそうに聞かせてくれました。

 そんな義母が、家の事情で、千葉から三重に引っ越しました。「三重でもカーブスに通いたい」と言うので探してみましたが、自宅からカーブスまで徒歩30分以上かかるため、80代の母はカーブス通いを断念してしまいました。

 「お義母さん、カーブスを辞めたのだから、近所を歩いたほうがいいよ」と運動を勧める私でしたが、ふと気づきました。いつも人に勧めてばかりで、自分自身は何の運動もしていないことに!気づけば、この10年で10キロ増の私。
 「そうだ、私もカーブスに通おう」
 さっそく都内の店舗を検索し、通い始めました。現在は、店舗と「おうちでカーブス」のダブルで頑張っています。
 義母は、カーブスを辞め、足腰が一気に弱くなりました。要介護認定を受け、デイサービスに通い、折り紙や塗り絵を楽しんでいます。「でもね、本当は運動がしたいのよ」とさみしそうに言います。カーブスでの日々は運動だけでなく、お友達やスタッフとの会話が元気の源となっていたのでしょう。
 私は、「今日もカーブスに行ったよ」と電話でカーブスの話をするようにしています。「頑張っているねえ」「今日も行ったの?えらいねえ」と自分のことのように喜んでくれます。「また歩けるようになったら、カーブスに戻ろうね」とそんな話をしています。

 過去に、カーブスエッセイ大賞に入選した経験のある義母。今回の応募に喜んでくれるでしょうか。