人生百年時代とはいえびっくり!カーブスの冊子に載っていた「90代の素敵なカーブスメンバーさん」を見て、ええっ、九十七歳の方が、この年齢でもカーブスに通っているなんて、すごーい!
 
 昨年、八十四歳でカーブスに通うことに、いまさら、この年齢でと躊躇もあっただけに、体を動かしていれば、元気で長生きするのも夢ではないと、一瞬、頭をよぎりカーブス通いを続けることを勇気づけられた。
 
 カーブスと言うと、十年ほど前だったでしょうか。スーパーの一角で女性たちが運動をしている様子を、買い物の折り、時々、垣間見たりしたことを覚えている。
 
 その頃は、私は愛知県・奥三河にある持ち山の仕事がライフワークとして忙しく、スポーツ教室に通う女性は特殊で、暇とお金もあり、とても贅沢に感じられ、自分には縁のないこととして、興味もなく過ごしてきた。
 
 結婚してから半世紀以上、植林・下草刈り・間伐と男性と同じように、夫婦で肉体労働をがむしゃらにしてきた。
 
 また、食生活も栄養など気を付ける余裕もなく、甘い物が好きで、ともかく、何でもお腹いっぱい食べないと気がすまなかった。
 
 それでいて、自分が健康であることを過信し過ぎていた。
 
 夫は四年八か月前に亡くなった。山仕事をしながら、奉仕活動の組織で嬉々として先頭に立って働いていたのに、突然、うつになり、認知症へと移行していった。
 
 夫が働けなくなり、私がしっかりしなければとの、あせりと使命感を背負って、山仕事も息子に手伝ってもらいながら、田舎にある、当時は空き家になっていた古民家の管理や片付けなど、またもや、がむしゃらにはじめた。
 
 夫は亡くなるまで八年余り、デイサービスに通ったり、心療内科に連れて行ったりしながら、最後の一年七か月余り病院で過ごした。

 家に帰りたいと言う夫を一度も家に連れて帰れなかったことが心残りで、今でも申し訳なく思っている。
 
 夫が病気になってからは、便秘がちの夫のためにゴーヤやバナナなどいろいろな野菜を混ぜてジュースを作って飲んだりして、食事にも気を遣っていた。
 
 一人暮らしになって、忙しさに紛れて、自分一人の食事など作る気力もなく、それこそ、あり合わせですませ、足がスカスカして栄養失調みたいになり、心身共に疲れ果て、また、ストレスで無茶食いをはじめた。
 
 血液検査をしたら、糖尿病だと言われ、びっくり、でも、その時は甘い物がやめられず、コレステロールも多く、初めて薬のお世話になった。ストレスをためこみながら、八十歳を過ぎてから、病が次々と追い掛けてきた。
 
 俗に五十肩と言うのか、両肩が痛く、一時は起き上がることもままならない時期もあったが、一人暮らしの頑張りと知恵で、日常生活をきりぬけてきた。
 
 その頃、ホリデイ・スクエア豊橋の会員の友だちが「カーブスに行くと、いいよ」と誘ってくれたが、その時は、肩の痛みでそれどころではなかった。他の町にいる娘もカーブスの会員で、カーブスを勧めてくれていた。
 
 以前は、運動教室なんて贅沢と思っていたが、いまは、健康のために誰もが抵抗なく通う時代なんだと、その時、意識が変った。
 
 肩の痛みも二年半リハビリに通って、奇跡を感じるほどすっきり治った。
 
 この頃では、健康志向であちこちに運動教室があり、家の近くにもあるが、そこは、私にはきつい運動のようだった。

 「お母さんに合っているのは、絶対カーブスだよ」と、娘が盛んに勧めてくれた。
 
 でも、徒歩では往復一時間半かかる、車に乗れなくなったら行かれなくなるー。

 「その時はそのとき」
 
 娘は、ともかく私をカーブスに行かせたい一心だった。
 
 見学に行くと、みんな元気溌剌として、私のようなおばあさんは見当たらなかった。
 
 こんな年寄りが、と躊躇したが娘の勢いに乗せられてはじめることにした。
 
 はじめは、コーチが付き添ってマシンを回ってくれた。もたもたしていては、後ろの方に迷惑が掛かるので、あわてんぼうの私はせかされているようで気になった。
 
 耳も遠いので、移動の合図を知らずに続けていても、後ろの方が黙って待っててくれて、恐縮することが、今もってある。
 
 でも、イヤな顔をされたことが一度もない「気にしないでいいよ」と、かばってくれた。
 
 コーチはもとより、お仲間の方たちも、他人に対する思いやりもあり、この時間を運動のために精一杯頑張り、他人のことを詮索したり、傷つけたりすることがないのはステキな雰囲気だと、人づきあいについての安心感もあった。
 
 以前は運動教室に行くことなんて考えもしなかったが、カーブスは意外と居心地よく健康作りができると確信できるようになった。
 
 自分に納得できることが、長続きするコツでもあると思いながら、一年九カ月余り、ほとんど休みなしに通い続けている。
 
 いまは、家事を済ませ、ほっと一息着くと、毎日行かなくてもと思いながら、どうしてもカーブスに足が向いてしまう。
 
 娘から「年寄りが、そんなに張り切らなくてもいいよ」なんて、言われるが、運動した後は、すっきりして気持ちもいいので、カーブスは私の日課になり、スポーツ教室なんて縁のないことと思っていたのに、いまでは、すっかりカーブスにはまってしまっている。
 
 振り返ってみて、どうして、こんなに続けられたのか、不思議にさえ思ってしまう。
 
 八十路半ばまで生きていると、人間関係でイヤなこともあったりして、一人暮らしの気楽さから、無理に人との交流を深めることもないと、孤立しがちになってくる。
 
 それが、カーブスは今までに出会ったこともないステキな雰囲気で、私の心落ち着く居場所にぴったりである。
 
 女性だけと言うのは、異性に対する気遣いもいらない。私的会話の無いことは、他人のことを詮索することがない。時間的に三十分は、年を取っても抵抗なく続けられそう。予約しなくていいのは、気ままな生活をしている者には有難い。いいことづくめである。
 
 カーブスで私が一番気にいっているのは、コーチの笑顔。名前を読んで言葉をかけてくれるのも親しみがあり嬉しい。
 
 食事に対して無頓着だったのが筋肉アップの大切さを教えてくれ、蛋白質をしっかり取るようになった。また、糖尿病なので、特に水分が必要なのに、カーブスに行くと500ミリリットルの水分を取るなど、食生活の基本とも言うべきことを教わり、元気で長生きするための知恵を授かり、この年齢になっても、カーブスを始めたことを幸運だと思っている。
 
 コーチに「姿勢がいい」と褒められ、舞い上がりながら、少しはウエストのくびれもできたみたいだ。これからは、趣味の会やグループ活動に積極的に参加して、おこがましいが「私の姿みて」と、カーブスの成果をお友だちにPRしよう、なんて、一人悦に入っている。体重・体脂肪・血糖値も減ってきた。
 
 元気で長生きするために、カーブスを続けなければとの意気込みもでてきた。