私がカーブスを続ける理由は、大きく分けて二つあります。一つは、続けることが心身の健康維持につながると確かに思えるから。もう一つは、続けられる仕かけが教室内にたくさんあるからだと思います。
私は、仕事でパソコンに向かうことが多いため、首・肩・腰・背中がすぐにガチガチに凝ってしまいます。全身が辛くてたまらない状態になると整体を受けてメンテする-そんな慢性的サイクルの繰り返しを何年も続けていました。
2年前のそんなある日、たまたまテレビで見たカーブスのCMにふと興味を引かれ、電話してしまいました。後日私が指定した日時に家の電話が鳴ったので、最寄りのカーブス教室からの連絡に違いないと思ったのですが、なぜだか咄嗟に億劫になって出ませんでした。
すると翌日、同じ時間にまた電話が鳴りました。きっとカーブスからだ、どうしよう。一瞬また迷いました。でも、電話がずっと鳴り止まなかったおかげで、私はついにカーブスにつながりました。あのとき今通っている教室の店長さん(当時はまだ店長でなかった)が根気よく電話を鳴らし続けてくれたことに感謝しています。
さしたる運動習慣のなかった私の脚は、以前は、太腿や膝の上が柔らかくプニョプニョしていました。つまり、筋肉がしっかりついていなかったのです。そんな≪膝の上のプニョ≫状態にも40代の頃はあまり危機感を持っていませんでした。でも50代になると階段をおりる際に膝に痛みが出始め、整形外科に定期的に通って、膝にヒアルロン酸注射と電気治療を受けるようになりました。通院初日に医師から「膝体操」というプリントを渡され、3種類の体操を日に2回行うように指導されましたが、面倒くさがり屋の私は膝体操を毎日の習慣にすることができませんでした。
カーブスへの入会を決めたとき、実は3カ月後に息子との南米旅行を予定していました。マチュピチュ遺跡を回ったりするのに備えて足腰を鍛えねばならない、膝のトラブルで旅行中に息子に迷惑をかけたくないという思いがありました。
そして、週に3回ほどカーブスで筋トレする生活が順調に始まりました。3カ月近く経つと膝に痛みが出ることもあまりなくなり、「この状態なら旅行先で歩き回れる」という自信が湧いてきました。とは言っても、やはり膝が心配だったため、≪御守代わり≫のような気持でヒアルロン酸注射をしてもらってから旅行に出かけました。
旅行ではペルーとエクアドルを回りました。舗装された道もそうでない所もたくさん歩きました。標高3400メートルにある古都クスコの石畳、マチュピチュ遺跡の切り立った岩の階段、ガラパゴス諸島のマグマが固まってできた岩場・・・。足場が悪くても一歩一歩気をつけながら自分のペースでしっかり歩き、膝の痛みに悩むこともなく元気に旅行を満喫しました。旅行からもどった後は、膝の注射のために通院することもなくなりました。
カーブスを続けて2年近くになりますが、かつての≪膝の上のプニョ≫はもうありません。太腿も膝のお皿の上の部分も、今は触ると以前よりむっちりしてかたい感じがします。カーブスを始めたことで感じられる体の一番の変化は、「脚に筋肉がついたこと」です。太腿や膝の上をふと意識すると「そこに筋肉がある」と感じられ、嬉しくて思わずさすりたくなってしまいます。この嬉しさは日々を前向きに生きる原動力になります。
同時に、体の凝りやだるさを解消するために整体を受けたいと思うこともなくなりました。もちろん今でも根を詰めて仕事をしたときなど、首や肩がすぐに凝ってしまいます。でも、今はそんなとき「カーブスでほぐすから大丈夫」と思うだけです。
私はだいたい月に12、3回カーブスに行きますが、もしそれを続けなかったら、この膝の上にしっかりついてくれた筋肉も、すぐにまた≪プニョ≫に戻ってしまうことでしょう。そして、膝の注射と整体で体をメンテする日々がまた始まることになるでしょう。
私がカーブスを続ける理由は二つあると冒頭で言いましたが、その一つが以上で述べてきたことで、まさに「続けることが心身の健康維持につながると確かに思えるから」なのです。そして、もう一つの理由である「続けられる仕かけが教室内にたくさんあるから」についてこれからお話しします。頭の中では「続けることが心身の健康維持につながる」とわかっていても、私のように、ややもすると運動が億劫だと感じるタイプの人間にとって、カーブスの仕かけはなかなか周到だと思います。カーブスには「今日も運動するぞ!」と元気に通う日もあれば、行くのが正直面倒くさいと感じる日もあります。あまり気乗りがしない日であっても取りあえず行ってみると、スタッフさんの「こんにちはーっ!」とか「おかえりなさーい!」などの元気な声と明るい笑顔に迎えられて、気分的にぐいっと引き込まれます。
準備運動の手間がないので、最初のボードにとにかく乗って足踏みを始めてしまえば、あとは「仕方ない、頑張るか・・・」と観念してしまいます。気がつくと結構まじめに筋トレをして汗ばんでいる自分がいます。最初の面倒くさかった気分がいつの間にか吹き飛んで、帰り道では「ああ、行ってよかったぁ」と爽やかな気分になっています。しかし、人は日々同じことばかり繰り返すと飽きがくるものです。毎回同じマシンと同じストレッチをしていると、ふとした瞬間、自分の中でマンネリを感じることがあります。でも、カーブスの教室には、そんなマンネリ化を解消する仕かけが多様に存在します。入り口の壁に貼ってある「来店表」もその一つです。カーブスに行った日の欄に自分の好きな色のクレヨンで印をつけます。最初は幼稚に思えたこの作業も、実は便利で効果的な仕かけであり、毎回クレヨンでぐりぐりと○をつけることが一種の「マーキング行為」のように思えます。○の数で「今月は今日で何回目か」がすぐにわかって励みになります。
あとは、教室内に貼られている様々な情報です。サーキットのボードで足踏みしていると、おのずと壁の掲示物に目がいきます。常に貼られている「体が変われば心が変わる、心が変われば毎日が変わる、毎日が変われば人生が変わる」は、何度読んで心に響きます。
また、時々入れ替わる教室内の掲示物には、見て楽しい、読んでためになる情報が多く、気分的に飽きがきません。そして、教室内のいたる所から「筋トレ」と「たんぱく質/プロテイン」という二大キーワードがこれでもかと目に飛び込んできます。これらはマンネリ気分になるのを防ぐのに有効な仕かけだと思います。
最後におまけの話をひとつ。運動後のストレッチをしていると周囲から色々な話が聞こえてきます。以前ご高齢のメンバーのお二人がこんなやり取りをしておられました。「しばらく会わなかったわねぇ」とAさん。「色々と用があったし、体調もよくなったしね・・・」と言い訳するBさん。するとAさんが「あなた、ちゃんと来ないと寝たきりになるわよ!」とバッサリ。まさにカーブスを続ける理由そのものなのでしょう。
佳作
「「筋肉は日々の原動力 ―さらば、膝の上のプニョ」」
カーブスって
どんな運動?