太陽が上り、人や車が動き出す朝のラッシュ時間、私は中央駅のバス停から仙厳園行きのバスに乗る。観光のアンケート調査をするために。仙厳園は島津家の別邸で、桜島が目の前に迫る観光の名所である。二年前に公務員をリタイアしてから、久しぶりの仕事。ハローワークでこの仕事を見つけた時、外での立仕事というのが気になった。寒い季節、それにデスクワークが主だった私は立仕事に慣れてない。風邪も引きやすく、疲れやすい。
が、その考えはすぐに打消された。「カーブスに通ってもう1年だ。筋肉もついてきたし、風邪もひかなくなった。それに観光の仕事には興味がある。カーブスを信じ、自分を信じよう」と前向きな気持になった。仙厳園は海沿いにあり、風がとても冷たい。凍りつくような寒さが足の先から上がってくる。観光客が来ない時は、私は高村光太郎の詩、「冬が来た」の一節を口ずさむ。「冬よ僕に来い、僕は冬の力、冬は僕の餌食だ」。すると力が湧いてきて、寒さも感じなくなる。午前十時から三時までの立仕事。不思議なことに一週間過ぎても普通に立っていられるのである。以前の私には考えられない身体の変化であった。
カーブスの効果が出てきていると嬉しくなった。しかし体力のない私の身体は、二十日ともたなかった。しかし今回のチャレンジは、私に自信と、運動の大切さを教えてくれた。
私がカーブスと出会ったのは、二年前の十二月、仕事と家事に追われ、何の運動もしてなかった私は、仕事を辞めたのを機に身体作りをしようと、健康教室を探していた。そんなある日、新聞の折り込みにカーブスの無料体験のチラシを目にして、「これだ」と早速電話して、その場所に向かった。カーブスは家からも近く、甲突川が目の前に見えるビルの2Fにあった。
ドアを開けると軽快な音楽と共に若いインストラクターの人が明るく向えてくれた。トレーニングルームはマシンを扱う人で熱気に満ちていた。マシンには少し不安があったが、やれそうな気がしてその日に入回を申しこんだ。
初めて触れるマシンは重たかった。身体が細く、筋肉のない私は続くだろうかと内心心配だったが、二三ヶ月も経つと、身体がマシンに慣れてきた。そして「この機械はどこの筋肉を使っている」と添うように教えて下さるインストラクターの人の指導に安心感を覚え、カーブスに行くのが楽しみになった。週三回が理想と言われ、そのペースを守っているが、カーブスには必要な運動が効率よくプログラムされていると、つくづく感心する。こうした運動の繰り返しが身体を作り、数値にも出てくるのだろう。
数値と言えば緊張するのが月初めの計測、入回時の計測で、体脂肪が高くて食生活を指摘された。そういえば油類、マヨネーズ、お菓子、よく取っていた。知らないうちにあたり前になってしまった生活習慣、特に食習慣は健康に大きく影響する。カーブスに出会えて良かったと感謝。1年経て変化したところといえば、あのぽっこりおなかが、すっきりとなってきたことだ。鏡を見る度嬉しくなる。体脂肪の数値は少しずつ下がっているもののまだ目標の数値に達してない。
カーブスの良さは何と言っても女性専用であることだ。そこでは男性の目を気にしないで楽しく運動ができるのがよい。のりのいい音楽に合わせて体を動かす時、昔踊っていたダンスを思い出し、心身がさわやかになり、帰る時は飛ぶように身体が軽い。又そこには一緒に頑張る仲間がいて、励みになる。この女性だけの三十分フィットネスをこれからの健康のためにも、可能な限り、続けて行きたいと思う。健康な身体はカーブスから生まれると言っても過言ではない。カーブスに出会えたことで、生き生きとした人生が持てそうだ。今日も朝起きた時から、私の心はカーブスに向かっている。季節は春、カーブスの窓をピンク色に染める桜の花が見える日も近い。