カーブスに入会したのは、病気のために筋力が極度に落ちたから。入会し、着実に筋力がついてきた私から、突然コロナが私の筋トレ生活を奪った。
1年7ヵ月の休会は私には長かった。マシンは全く動かせなくなっていた。しかし、復帰して半年たった今、私はすべてのマシンを動かせるようになった。病気の治療は続いているが、元気に過ごしている。6年前のあの時と同じように、筋トレは私を救ってくれた。今、私は思っている。"筋トレは裏切らない"と。休んでも、何歳になっても、続けたら筋力はついてくると。世の中は、コロナによりさまざまな面で変わったが、筋トレの大切さと効果は変わらないと。
私がカーブスに入会したのは2016年(平成28年)。今から6年前の春。難病治療のために服用している薬の影響で、筋力が低下する"ミオパチー"という副作用が現れた。日常生活もままならなくなり、すがるような気持ちでカーブスに入会した。入会当初は、筋力の低下が著しかったが、続けているうちに筋力がついてきたことを実感した。入院のたびに、一時退会と復帰を繰り返したが、着実に筋力はつき、日常生活にも支障がなくなった。
体調も安定し、「さあ、これからはもっと速く!もっと大きくマシンを動かして、ますます筋力をつけよう!」と目標を持っていた矢先......得体の知れない新型コロナウイルス出現のニュースが世界を騒がせ始めた。基礎疾患があり、免疫抑制剤を飲んでいる私は医師からも"要注意"と言われた。そして、2020年3月から休会した。突然の、思ってもみないことだった。そのすぐ後、全国に緊急事態宣言が発令され、日本中は重苦しい雰囲気となった。楽しみにしていた旅行やコンサートは中止、会食はなくなり、子や孫の帰省もできない...。テレビで報導されるのは、コロナのことばかり...恐怖だった。感染者数の増加にビクビクする生活が続いた。
そんなコロナ禍の中でも、明るい出来事があった。長男が結婚した。長女が無事に第2子を出産した。ステイホームで夫の趣味が園芸になり、玄関まわりが季節の花でいっぱいになった。色とりどりの花、日ごとに成長していく花を見るだけでも、ずいぶん癒された。
大変なこともあった。実母が畑仕事中に転倒し、大腿骨を骨折した。入れかわるように同居の義母が仙骨を骨折し、また2ヵ月の入院となった。母は2人とも85歳。2人とも要介護となった。同じ85歳の人で元気にカーブスに通っている人を私は知っている。この違いは何だろうと考える。この人は地元にカーブスができたと同時に入会され、12年間通っておられる。この方の妹さんは75歳。カーブス歴11年で、もうすぐ3000回に達するそうだ。生き生きとしたお二人の姿を見るだけで元気がもらえ、会えるのが楽しみとなっている。違いはやはり筋トレの継続であると考える。
という私も人ごとではない。休会している間に腰椎を圧迫骨折してしまった。3ヵ月のコルセット生活は背筋力を低下させた。さらに運動不足により体重は5kg増えた。何とか筋力を戻さねば、以前の体調に戻さねばと思っていた。
2021年夏、2回目のコロナワクチンの接種を済ませ、9月には感染の第5波が収まったこともあり、2021年10月、1年7ヵ月ぶりにカーブスに復帰した。
しかし、復帰してみてショックだった。マシンは少しも動かせなかった。筋力と体力は予想以上に落ちていた。9月にリフレッシュオープンでマシンも重いものに替わりましたか?」とコーチに真剣に聞いたほど。薬の副作用が私をあざ笑っているかのように思えた。今は完全に負けていると感じた。さえない顔を察してか、コーチが言葉をかけてくださった。「今まで何度も乗り越えてきたじゃないですか」と。そうだ。今まで何度も繰り返してきた。そして必ず筋力はついた。前のように副作用に勝てる時が来る。自分の力を信じよう、筋トレを信じようと思った。
まわりを見わたすと、なつかしいメンバーさんの顔があった。コーチの元気な声、やさしい言葉がけも変わらなかった。1年7ヵ月も休んだのに、ほんの2~3ヵ月しか休んでいなかったような不思議な感じがした。空気感も同じだった。そっと手渡されたメンバーさんからの紙には「何年ぶり。お会いができてうれしかった。やめたと思っていました。ずっと気になってました。無理しないでお互いがんばりましょうね。」と書かれていた。「ボチボチ慣らしていきましょうね」と声をかけてくださる人もいた。うれしかった。カーブスの入り口には「おかえりなさい第2の我が家」と書いてある。そうだ、ここはいつでも帰ってこれる場所なんだと思った。
こんなうれしいこともあった。私の病気である免疫の研究をしておられ、毎年ノーベル賞候補にあがっておられる先生の講演を聴く機会に恵まれた。主催者の人から先生に手紙を渡してもらった。自分の病状を伝え、先生の研究に期待していますという言葉を添えて。講演から2ヵ月後、先生からお返事をいただいた。私の病気に関しては、研究が進んでおり、今、動物実験の段階であり、臨床での有効性を知るまでにはまだいくつかの段階を踏む必要があるが、早くに有効な治療法として確立できるように努めてまいりますという内容だった。「医療も日々前進しているので待っていてください」という言葉は心強かった。先生の著書も送っていただいた。本には"恵存"と書かれ、私の名前と先生のサインがあった。こんな立派な先生から直接お手紙をいただき、感動し、勇気付けられ、明るい希望が持てた。やはり行動に移すことは大切だと思った。
復帰して半年たった今、マシンは以前のように動かせるようになった。人と比べると、筋力も体力も比べものにならないが、自分なりの精いっぱいでいいと思っている。このこともコーチが教えてくれた。
"筋トレは裏切らない"自分を信じ、筋トレを信じ、医学を信じ、すべてを肯定的にとらえて生きていきたい。日々の小さなことにも幸せを感じながら、自分らしく生きていきたい。カーブスに貼られている言葉が目に入る。
「千里の道も一歩から」「今の一歩が未来につながる」...小さな一歩かもしれないが、筋トレ人生を歩んでいきたいと思う。家族や子や孫のために。そして自分の笑顔のために。