幼い頃から今日に至るまで、とにかく"習い事"が苦手だった。「花嫁修業だと思ってお願い!」と母に泣きつかれ、渋々通った『茶道教室』。
週に一度の正座タイムが苦痛で苦痛で。ジーンと痺れる足の親指。モゾモゾとお尻を動かし、耐え続ける時間。お点前の手順なんて全然頭に入っちゃこない。
一年で「さよなら」させていただいた時は、思わずガッツポーズが出たものだ。20代。お年頃の哀しきエピソードである。
最も短かった習い事は、こちら。小学一年生だったかな。姉が嬉嬉として通っていた『日舞』のお稽古場に、何故か連れて行かれた。
キュッと締められた帯が息苦しい。チントンシャンの雰囲気に馴染めない。気がついた時には着物を脱ぎすて、師匠宅の玄関先に向かってダッシュしていた。
はい、一日で破門!
まったくもって堪え性のない私が、今春カーブス来店3000回をクリアしたとは驚く。入会したのは、2010年4月。もう12年も経っていたのね。アッという間だ。
決して努力した訳じゃない。朝いちばんの歯磨きがルーティーンのように、夕方のカーブス通いもまた生活の一部になっていただけ。
何故、飽きずに続けられたのか。
・その時々の体調や気分で、負荷を調整できるのがカーブス。
例えば「太ももスッキリ。ヒップアップ」を謳うスクワットのマシーン。息を吸いながら、ゆっくりしゃがむ。そして息を吐きながら、すばやく立つ。
体調の良い日なら30秒で7回はクリアできる。でも、疲労気味の時は決して無理をしない。カーブスは、他人と競う場じゃないもの。人は人、自分は自分。マイペースが、いいんです。
程よい運動量で、疲れにくい体をつくる。これだけで十分だ。30分の健康体操教室を標榜するカーブスだが、じつは身体のみならず心にもプラスの効果があるような気がしてならない。
メンバーさんとのたわいもない会話が笑いを誘い、ニヤリとした後は妙に心も軽くなる。
「家を出てちょっと歩いているうちに雨が降ってきたんですよね。傘を取りに戻ろうかと思ったんだけど。もう、いいや。そのまま来ちゃった」(メンバーさん)
「えっ、濡れちゃうじゃないですか。意外とズボラなのね。あっ、ごめん。ダイナミックと呼んだ方がいい?」(私)
「ダイナミックでお願いします」 これで、あはは。
「M子さんって声が可愛いですよね」(私)
「以前、セールスの電話が掛かってきたんです。めんどうなので"お母さん、今、買い物なの"と言ったらセーフ」(M子さん)
「えっ、娘さんに成り済ましができるんだ」 これで、ゲラゲラ。
3000回を達成した翌日、久し振りにお目にかかったメンバーさんから声を掛けられた。
「おめでとうございます。アッコさん、ひょっとしたらカーブスで寝泊まりしているんじゃないの?3000回だなんて」
「うふふ。じつは住み込みで働いているの」
コロナ下でも落ち込まず、何とか凌げたのはカーブスのお陰かもしれない。そこに行けば、顔見知りの誰かと出会う。お互いの無事を目と言葉で交わす。
コロナで会えなかった遠くに住む友人達。心の隙間を埋めてくれたのは、確かにカーブスのメンバーと、いつだって元気なコーチ陣だった。
今日も30分しっかり汗を流したら、夕食の"おつまみ"づくりに取りかかろうかな。メニューは、決めている。そら豆を茹でるでしょう。お次は、豚ロースみそ漬け焼き&グリーンアスパラ添え。メーンディッシュは、活〆のブリ刺しだ。
卓球仲間からいただいた地酒をチビチビやりながら楽しもう。デザートにチーズ一切れを加えれば、たんぱく質もトータルで4点になるじゃない。よし、よし。