あの日、いつものようにカーブスの扉を開けると、「むつみさん、こんにちわあ!」と元気なコーチの声。さあ、ワークアウトと意気込んだ途端、「むつみさん、エッセイが入賞しましたよ」と、店長が満面に笑みを湛えつつ、報告して下さる。「エーッ?」全く信じられない思いで、しばらくは立ち尽くしてしまった私である。何故なら過去5回、つづけて投稿したものの、全て佳作止まり。
ひるがえって受賞した方達のエッセイを読ませていただくと、傾向として、大病を患ったり、大病でなくとも多くの故障を抱えながら、カーブスに通いつづけることによってそれらが改善され、以前よりも健康になり、しかも人生までも明るい方へと変ってしまったという内容のものが多いように感じられていたのである。
一方、私の文章といったら、ほどほどに幸せ、ほどほどに健康といった内容で、ひと様に訴えるべき核となるようなものが無いから、受賞は無理だろうと思いつづけていたのである。それなのに凝りずに投稿をつづけたのは、文章を書くチャンスをいただけたと思えたことがその第一の理由である。
店長の話から、受賞は本当らしいと信じられるようになると、新たな問題が起こってきた。マガジンに載せるための写真を本部に送らなければならないということである。
常に「気分はいつでも18歳」と自分に言い聞かせ、日記にも書き続けていたので、気分年齢だけは誰にも負けないという自信はあったものの、容貌のことまでは思いが及ばなかったため、いたく後悔したのである。仕方なく、窮余の策として、コーチには「ホクロやシワを消したり、歯を白くできるアプリがあるので、それを使って少しでも若く見えるように、修正をお願いしてね」と申し添えてみたのである。
私の希望が伝わったか、伝わらなかったか、恐らく伝わらなかったのだろう。受賞者の発表段階の写真も、エッセイ全文が載った時の写真も、思わず顔をそむけてしまった位、残念に思えたものである。
わざわざ記者さんとカメラマンさんが出向いて下さり、感触良く取材して下さったこと。又、「姿勢が良いね」とか、「笑顔が良いね」とか、私自身は首を傾げてしまうようなおほめの言葉をいただいて、心地良い思いにさせていただいたこと。そんな風にして一生けん命撮影をし、記事をつくって下さったお二人に対しては失礼な話で、それもこれも私の自信の無さと、容貌の問題点のせいでありますので、お許しいただきたいのですが......。
さて、3月1日、マガジンが届くと、店長が記事を拡大コピーして、カウンターの前に貼り出して下さったのである。そのことからあきらめもつき、覚悟を決めて、友人、知人に45名にマガジンを差し上げたり、郵送してみました。3日間の無料体験チケットを貼付したのはむろんですが。
数日後から感想が続々と届くようになり、笑い転げつつ拝読したその一部を書いてみます。
①実物よりずっと良いね。さすがプロのカメラマン。
②あの服、要らなくなったらちょうだい。
③ハツラツとしてとても眩しい。美しい。(「ウソ八百」と私の独り言)
④「お前さん、これ読んでカーブスに行って来いよ」と娘に言ってやったよ。
⑤マガジンで見つけてお便りします。益々、ステキになられて嬉しいです。実は私もカーブスに通いつづけて8年になります。(負けた!私は7年。ちなみに彼女は青森県人)
⑥ずい分、老けたなあ!(親友のご主人。17年前に一度会っている)
⑦どんどん人を魅き込んでゆくような良い文章ね。
⑧遺影にちょうど良いじゃん。(内心、私もそう思っていたの。イェーイ!)
⑨あのエッセイを読んでどれだけ多くの人がカーブスに行ってみたいと思ったことか。文才があるというのは良いね。
他にも断片的な感想をたくさんいただいている中で、過去、小説家志望だった私にとって、⑦と⑨は最高のほめ言葉と受けとめている。総じて皆さんがとても温かくマガジンを読んで下さったことに感謝の思いで一杯である。そしてエッセイのモデルになって下さったC子さんには最大の感謝の念を抱きつつ、(私、学校の体育授業をサボったことなんて一度も無かった)と、ずい分責められはしたが、ドンマイ)今日も又、カーブスに行って来ます。その前に「年齢と共に筋肉量が減ったら、医者に筋トレをすすめられた。」と話していたY子さんを訪問してみますね。
佳作
「2021年カーブスエッセイ大賞・準賞を受賞して、やっぱりカーブス」
カーブスって
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