毎年カーブスエッセイの時期になると思い出すのは2年9か月前の出産の事である。当時私はカーブス歴8年で、結婚歴8年、不妊歴8年であった。そもそもカーブスに通いだしたのは、中年といわれる年代になり、おなかのたるみや、体重の増加もさることながら、体力の衰え、そして不妊であった。そのため少ない時間を調整し、カーブスにも通い続けていたが子宝に恵まれず、気が付けば44歳になっており、最後の1年と夜勤もある働き方をやめ、日中だけのパートタイムに変更し、月に5回しか行けなかったカーブスにも15回以上通い始め、栄養面にも気を配った。結果、体重が10㎏近く減り、肝機能など問題を示していた血液データの改善も見られた。そして医者も「奇跡だ!」と驚いていたが44歳にして妊娠でき、妊娠経過も問題なく過ごし、通常分娩で無事に出産することができた。産後経過も問題なく、日々子育てに悪戦苦闘しているが、ふと考えると、出産はゴールではなく新たなスタートラインであり、生まれた子供を無事に社会に送り出すまでは、私達夫婦の責任であることを改めて考えさせられる毎日である。単純に考えても、子供が大学を卒業するとして22歳。自分は68歳になる。夫は70歳だ。果たしてそこまで体も丈夫で、介護を必要とせず、仕事も続けていけるだろうかと考えると不安も出てくる。人間はいつ病気をするかわからない。また、事故や災害に巻き込まれるかもしれない。そう考えると、まずは自分の足元を固めて体を健康に保ち、彼の学費や生活費をきちんと働く責任がある。また、おそらく我が子は一人っ子であることは間違いない。相談できる兄弟もいない。社会に一人で放り出されても生きていける強く優しく、必要な時には厳しさも持てる青年に成長してもらいたい。そのためにも自分も小さなことでめそめそしていてはいけない。強く優しく厳しさもある母に成長しなければならない。自然に逆らってまで彼をこの世に送り出したのは紛れもなく私自身である。私が心身ともに強くなければ彼を守り切れない。だから私はカーブスに通う。そして、保育園のお迎えの為1周しかできなくても頑張る。「継続は力なり。」だと思うから。
彼を授かるまでの私は「念ずれば花開く」の思いで過ごしてきた。これからは自分の健康にも目を向け、彼とともに自分も成長できるように頑張りたい。私に、私の家族や友人、知人、看護師として15年関わらせていただいている患者会の皆さんに大きな希望を与えてくれた彼のために私は頑張りたいから。
彼が生まれてくれたことで本当に多くの人々の笑顔や、優しさに出会うことができた。彼がいなければ知らない世界だったと思う。
また、カーブスでも彼を妊娠するまでは特に話すこともなかった他の会員さんからも、「もういくつになったの?」「元気?」「可愛くてたまらないでしょう?」等と声をかけていただいている。本当に励みになる。また、会員さんの身内にも不妊で悩む方がいるようで、自分の経験や年齢が人知れず励ましていることを聞き嬉しく思う。人々の役に立てていることが嬉しい。これからもまず自分が元気で彼と共に一日でも長く過ごせるように頑張りたい。そのためにカーブスに通い続けようと私は思う。
入賞
「私がカーブスを続ける理由」
カーブスって
どんな運動?
2021年の他の作品を読む