カーブス歴8年半。仕事帰りに行くのが習慣となっている。多くて週6回、少なくても3回。病院では、坐骨神経痛や脊柱管狭窄症だと言われ、首こり、肩こり、骨盤の歪みがあり、決して健康体とは言えない。しかし、通院するくらいならトレーニングに通う方が良いと考え、帰宅前に体をスッキリさせて、仕事の疲れをとっていたのだった。
ところが、昨年の4月、コロナ禍のため、緊急事態宣言が出されて、カーブスが休業となってしまった。勤務先でも、業務形態が変わり、机上の仕事が増えて、体を動かさなくなったせいもある。突然体に変調が訪れた。
首のあたりが腫れあがり、体中がむくんで体重が増え続けた。喉が詰まって苦しくて、呼吸がしにくくなった。咽頭癌か喉頭癌を疑い、耳鼻科に行った。外科を勧められ、胃カメラの予約を取った。指が曲がらないくらいあちこちの関節が腫れて動かせなくなった。リウマチを疑って、内科に行った。肝臓と腎臓の働きが悪いと言われ、泌尿器科にも行った。
結論から言うと、甲状腺機能低下症だった。血液検査の結果、甲状腺ホルモンの数値がゼロに等しいことがわかった。レントゲンとCTで、脂肪肝がわかった。尿検査を行い、膀胱の状態を調べるため、排尿記録を付けることになった。
癌でも、リウマチでも、膀胱炎でもなかったが、甲状腺の薬、肝機能の薬、中性脂肪とコレステロールの薬、冷え性改善の漢方薬など一気に薬漬けとなった。喉が腫れて声が出ない。体が冷えてトイレの回数が増える。脂肪がついて体が重い。手足が腫れあがって思うように動かせない。マスクで隠せたからよかったものの、人に見せられないほど顔がパンパンに膨張していたのだった。
カーブスの再開が待ち遠しかった。カーブスに通えるようになるために、早くこの病状と症状を改善させなければと思った。カーブスに寄ることなく、職場から自宅へ直帰する日々。自宅で筋トレするほど優等生ではないので、自然と体が動かなくなった。体を動かす気力がなくなると、思考力が鈍くなった。判断力が低下すると、物をなくしたり落としたりして、失敗することが多くなった。ミスが増えると、やる気も元気もなくなっていった。まさに不健康のスパイラル。悪循環だった。
休日に買い物に行き、カーブスのメンバーさんとばったり出会うと、たまらなくうれしかった。早く再開してほしいねと願うことは皆同じだった。そしてカーブスでの再会を約束した。
カーブスで多くの知り合いができた。名前はわからなくても、顔だけで挨拶ができる。たった30分だけの運動仲間だけれど、競い合うこともなければ、互いを干渉することもない。自分のペースで、自分と向き合うだけだけれど、そこにお互いを認め合う、励まし合う気持ちがわいてくるのだ。
約2カ月後に、カーブスが営業されることになった。私の体も回復してきていたので、躊躇することなくカーブスに向かった。
いつも通り体調を聞かれ、様々な疾患で苦しんでいたことを伝えると驚かれた。不調をカーブスのせいにするつもりはない。カーブスで運動をしていたおかげで、病気が発症しなかっただけだったのかもしれない。カーブスを続けていても、体に異変が起こっていたかも知れない。カーブスが休みの間に、自分自身の体と心の回復ができたことをうれしく思った。元の生活、元の体、元の気持ちに戻れたことが、何よりもありがたかった。
カーブスの店舗は、今でもストレッチコーナーが縮小されていたり、マシーンの数が減らされたままだったりしている。しかし、コロナ感染防止に対する配慮を徹底し、安心安全な健康づくりの場として、営業してくれている。カーブスが様々なサービスを提供し、理想的な生活の意識を高め、広く深くわかりやすく知識を与えてくれている。美と健康の情報を発信し、一人ひとりの状態を観察、管理してくれている。
年齢を重ねていくことへの不安もあるが、カーブスがあると安心して対処対応できる気がする。加齢に伴うトラブルの悩みをカーブスが軽減してくれる気がする。女性に生まれてよかった。カーブスが女性専用でよかった。
準賞
「カーブスとともに」
カーブスって
どんな運動?
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