1枚の小さなチラシがポストに入っていた。
カーブス新規openのお知らせであった。60歳になった私は、何か新たに始めたいと思っていた。元々運動は得意ではない。
それでも、店をたずねてみることにした。
筋トレだという。続くかな、と不安ではあったが、とにかく、始めてみようと思った。
というのは、1年のうち6回も骨折を繰り返していた私であった。骨粗鬆症かと思ってみたが、検査の結果は異状なし。その時は、リハビリの先生に、「筋肉がついていないから、すぐに骨が折れる。」と言われていた。昨今、Dr.は、皆、口をそろえて言う。「健康のため。運動は必要」と。それなら、やっぱり始めてみようと思い、手続きをして通い始めた。
初めの頃、何の変化もなく、通うことが苦痛でさえあった。でも"運動は大切。"と思い、続けた。もう6年になる。
今年、新型コロナが流行り始めた。
3月のある日、いつものようにカーブスに行った。店内の様子が違う。ストレッチスペースがなくなっている。スタッフに聞いてみた。「ストレッチは、家でやって下さい。」と、言われた。私はとっさに、「家で運動できないから、お金をかけて、ここに来ているのに。ストレッチも大切な運動でしょう。」と言い返した。まさか、コロナのせいとは、思ってもいなかった。色々、話しているうちに、それはコロナ対策であることが理解できた。
「一言、コロナのせいと言ってくれれば、わかったのに」と悔やまれた。コロナのせいなら、誰も文句は言わない。それから日に日に、対策は強化されていった。それでも、私は通った。そうこうしているうちに、緊急事態宣言が出され、とうとう、閉店することになった。案の定、私は、家で運動はしなかった。
そして、日は過ぎていった。
2ヶ月前、私はつまずいて、左手を打撲していた。晴れ上がったが、どうにか指は動くので、骨折はしていないだろうと思い、病院へは行かなかった。そのうち、右手の人差し指の神経性の痛みがひどくなってきた。30年前、交通事故にあい、頭を打った、それ以来、頭の痛みのため、毎日の薬の服用は欠かせなかった。頸椎に問題があり、それで、痛みが出てくると言われていた。
両手の痛みは、日に日に、激しくなっていった。とうとう、"限界"と思い、病院をたずねた。「いままで、痛みがなかったのは、カーブスの筋トレのせいですね。」と言われた。
"驚いた。"カーブスの筋トレが、功を奏していたとは、思ってもいなかった。
"カーブスは、救世主だ。"と思った。
"続けていて良かった。"とつくづく、感謝。
まさに、悪魔のコロナと救世主カーブスである。緊急事態宣言が解除され、カーブスも再開することになった。
まだまだ、予断は、許せない状況ではある。が、とにかく通おう。私にとってカーブスの筋トレは必要不可欠である。
コロナの影響が、こんな形で、私の上に現れた。
コロナのため、いま、多くの人々が、苦しみを味わっている。いろいろな形で...。
「みんな、がんばろうね。」
「コロナに、負けるな」
今日も、私は、カーブスに通う。
いや、いままでとは違う。私にとって、大切な、大切な所である。
「スタッフの皆さん、ありがとう。」
「私の生活の一部になりました。」もう迷うことなく、続けるでしょう。
佳作
「悪魔のコロナと救世主カーブス」
カーブスって
どんな運動?