「え~、冬なのにそんなに汗をかくのね」
エクササイズを終え、ストレッチに励んでいると背後から声が掛かった。振り向くと私より、やや年配のメンバーさんが覗き込みながら微笑んでいる。
なるほど背中の辺りが少し冷たい。脇の下にも、うっすらと汗をかいている。
「これが気持ち良いんですよね。運動の汗って最高」と、私。
「羨ましいなぁ」と、彼女。
真面目にマシンに取り組めば、汗だって滴り落ちるというものだ。スクワットの時は、お尻をグイと後ろに突き出し、腿を意識しながらしゃがむ(結構きつい!)。アブバックは、おヘソの辺りに力を入れて、腹筋を鍛える(頑張れ!この後お酒が待ってるよ~)
行きこそ手先がかじかんでいても、帰りは全身がポッカポカだ。雨風の冬でも、カーブスの後は汗ばむ。これぞ、カーブス効果というものか。冷え性の姉には、いつも羨ましがられる。
カーブスと出会って7年目。今でも飽きずに続けられるのには、訳がある。春夏秋冬、いつだって健康的な汗がかけるから。じっくり汗をかいて自宅に戻り、ひと風呂浴びてのドリンクタイムは至極のひとときなのだ。
メンバーさんやコーチの皆さんとの繋がりも、毎日なかなか面白い。
「はい、秋子さん。心拍数は何色ですか」
「黄色で、おます」
「おます? 大阪のご出身?」
「ちゃう、ちゃう。新潟でんねん」
あはは。メンバーさんの反応は、苦笑いか。カーブスで笑えない日は、ない。
世間では前期高齢者の部類に入るのだろうが、私に"高齢者"の自覚はサラサラおまへん。だって、持病なるものが今のところ無いんだもの。血圧、肥満、腰痛、肩こり...。全て問題なし。保険書を使うのは、歯の定期検診のみだ。厚生労働省から賞状をいただきたい、くらいである。
平日はカーブス通いが日課。そして迎える週末。もう1つ欠かせない趣味が、待っている。趣味というより生活の一部か。全国津々浦々の温泉巡りだ。これまで訪ねた温泉地、北は登別温泉から南は指宿温泉まで150か所を超えるだろう。
何たって、私「温泉ソムリエ」のに資格を持っているのだ。そう言うと、たいてい「凄~い」という反応がある。うふふ。凄くも偉くもない。ワインのソムリエと違って、この資格、1泊2日の講習会さえ受講すれば誰だって貰える資格検定なのだ。
だが、趣味いえども奥は深い。温泉分析表は、バッチリ読みこなせるし、泉質の違いなんか朝飯前である。例えば、長野県の野沢温泉や群馬県の万座温泉などは卵臭の強い硫黄泉。硫化水素系の湯は、高血圧や動脈硬化症に効能があるといわれている。女性にお勧めなのが、アルカリ性単純泉か。別名「美肌の湯」。肌の角質を取ってくれ、すべすべスキンのお出ましとなる。愛媛県の道後温泉や大分県の由布院温泉がこれに該当。
日本の温泉の数、おおよそ3400カ所あるというのだから、半端じゃない。訪ねた温泉地で出会う地酒も、旅の醍醐味だ。もちろん、自然の風を感じながら浸かる露天風呂の爽快さたるや、なにものにも代えがたい。
老後を心配して切り詰める生活も分からない訳ではない。よくTVのCM等で見る使用前&使用後の変身ぶりには目を見張る。でも、厳しそうな糖質制限は、私には無理。今を楽しまないなんて、もったいないじゃないですか。突然、気づいた。カーブスと温泉を結ぶ共通項である。どちらも体験する前と後は給水が不可欠。体験後は、頬がピン色に染まっちゃうのも似ているわ。
これからも心身とも元気で"生きた時間とお金の使い方"をしたいな。貯金通帳の残高は、どんどん減少傾向にある(笑)。でも、毎日、豊かな気持ちで過ごせるのって、何だか嬉しい。