Kさんは、実にかしこい女性である。
手早だし、段取りもよいし、運動もできる。
一緒に仕事をしたことは全くないけれど、きっと仕事も速いんだろうなあと常々おもっている。
そんなKさんには大きな大きな弱点がある。それはストレスにめっぽう弱いと言うこと。針の穴くらいの事でも抜け道のない行き止まりの洞窟の奥へ奥へと突き進んでいってしまう。その中でも病気恐怖症は眼もあてられないほど。小さなおできが出来たら(癌かも知れん)、少し喉がイガイガすれば(癌かも知れん)と、口だけで済めば良いけれど本気で病院に行ってしまう。"大丈夫ですよ"と言われても100%違うとは言われなかったとまた次の病院を訪ねる。果たしていくつの病院をまわったことか。ドクターを呆れさせる程の質問攻めについに神経内科まで紹介され、"私、そこまで変じゃありません"とも言わず素直に受診してしまう。
そんなKさん、仕事と家庭の板挟みでドンドン痩せていき、ついに10kg以上痩せてしまいガリガリとミイラ化してしまった。歳より若く見えていたはずなのに一気に老け、加えて立ち仕事の関係か足のしびれだけでなく腰も痛み、整骨院、カイロプラクティック、あんま、etc、月に三万円もの大金を投じている。
"やばいこのままじゃ本当にうつ病になっちゃうよ"(これは私の心の中の声)
丁度その頃、ポジティブに行こうなんて話をしながらカーブスの門をたたき、体験を経て入会申し込みをし、同時にスタートラインに立った。私は何とか週3回のリズムを刻んだが、Kさんはというと、1ヶ月目。病院の各種検査も済まず検査結果も聞きに行かなければ、2ヶ月目。家庭内で用事が出来た、3ヶ月目。仕事が忙しくて休めない等など。すべて本当の事だけれどカーブスに通うことなく会費の無駄払いを続けていた。4か月が過ぎたころ、目覚めたように、お金ももったいないし通ってみようかと言い出した。顔はやつれ、声も小さく、肌が荒れ、背中を丸めKさんはステップボードに立った。トボトボ・・・マシンに付いた。スクワットはやっとやっとで数回よろよろと立ちあがった。でも確実に一歩が踏み出せた。それからは忙しい仕事に都合をつけ出来る限り週3回のリズムを作った。
あれから数ヶ月、ステップボードのうえでまっすぐ前を向き、颯爽と背筋を伸ばし元気いっぱい跳ねているKさんがいる。スクワットは肘とつま先が同じラインになるようにしゃがみ肩ではなくきちんと足で立ち上がっている。声も元のように大きくなり笑い声も戻った。背筋も伸びて老け込んだ自分ともお別れした。勿論、医療費三万円は必要が無くなりました。先日ひどい風邪を引いて、以前神経内科を紹介されたクリニックを受診した時痩せすぎているからと腫瘍マーカーを勧められ、また神経内科を勧められたとき"検査の結果も異常なしだったしノイローゼでも無いので神経内科も要りません"と、きっぱり断れたKさん(えらいえらい)。
今にして気づいたこと。それは心も身体も健康に一番大切なことは、受動型ではダメなんだ。自分自身が能動的に進んで行かなければ道は開けないと言うこと。受け身のマッサージは2日と持たないがカーブスでコツコツと積み上げた筋力は嘘をつかず確実に健康へと導いてくれる。
自慢ではないがうちの店のコーチ陣は数多いカーブスの中でもトップクラスだと思っている。自分だって調子の悪い時もあるだろうし機嫌のわるい時だってあるはずなのに、店長を中心に仲良くまとまり、皆に平等にいつも明るく元気に迎えてくれる。コーチの"今日の調子はどうですか?"の優しい声に"うん、カラげんき!"と答えながら、Kさんこれからも一緒に、気をつけ=腹圧入れて前へ=10年後の自分自身のために、進め!=
ゆっくりゆっくり一歩ずつ進んで行こうね。
佳作
「気をつけ!前へ・・・・」
カーブスって
どんな運動?