◆もう傘寿だ
あゝもう八十才だ。
よく冗談を言って笑わせていた主人は、この世にはいない。
仲良しだった友達も、二人、三人と旅立って行った。
二人の男の子を宿していたお腹は、伸び切ったごむの様に、ぶくぶくの三段腹。腕のたるみは、ふりふりの元禄袖。
「あと、何年生きられるのかなぁ。」といつもの一人言。
うつろに響くテレビの音。こんな女に何故なったのだろう。
ただ歩く事だけには自信があった。毎日の散歩のおかげで、膝に多少の痛みが走ることがあっても、苦にはならなかった。
そんな空虚な毎日を送っていた矢先、振い立たせてくれたのが、長男の嫁によるカーブスへの誘いであった。
◆魔法の杖
カーブスへ入会してまず驚いたのは、学校教育にも勝るほどの運営の素晴らしさだった。
・明るい
コーチさん達を始め、利用者さん達の朗らかな事。お互いに励まし合い助け合う絆、礼儀の正しさ。部屋中が、笑い声で満ち満ちている。
・すごいマシン
ひとりひとりの能力に応じて使い分け出来るマシンのすぐれた機能。三十分という適正な運動量。
・ひとりひとりの努力目標の明確化
無理のない個別指導や、心拍数による運動量の確認、水分補給の徹底、クイズによる意識化、等
・治療的効果
術後のリハビリ・膝痛・肩こり・歩行困難な方々への・ほめ・励ますという感激すべき気長な対応ぶり
・カーブスドルの取得による努力アップ
月始めの体測・表彰・室内の掲示・マガジン発刊等による啓豪と、興味や意欲付け、
ドルによる素敵な、Tシャツ、タオル等の交換も楽しみの一つである。
・時々に行われる はなやかな行事
クリスマス、ハロウィン等。
カーブスには、日本全国の女性が、女性として、老いも若きもいつまでも豊かに、何よりも大切な健康、自立という生き抜くための魔法の杖が用意されていたのである。
そして、私もその中の一員として仲間入りさせていただいた。
◆変 身
私は、まだカーブス歴二年生だが、入会前と比べて、どう変化しただろうか。
・体質の変化
まず、長時間、早く歩ける様になった。年と共にたらたらと下を向いて歩き、その距離もだんだん短かくなっていたが、今は、六キロの道のりを片道五十分歩いてカーブスへ通っている。汗をたらたらと流しながら。
血糖値が普通になり、血圧も一二〇-七〇だいと安定した日々がつづく様になった。
またカーブスで運動した日は、眠りが深くなり、夜中のトイレの回数も減ってきた。
階段も百段くらい、一気にかけ登り下りできるようになった。
食欲があり、何を食べてもおいしい(間食は絶対しない)
今年は、尾瀬行きに、挑戦できるかな?
・変りゆく体形(入会時と比較して)
バスト 四センチ ヒップ 三センチのアップ(これには 驚く)
ウエスト、五、五センチ、腕囲り 二センチ、下腹 四センチ 減と、うれしい体形に、
運動後の肌は、それなりにみずみずしく輝やいている。
体脂肪率、骨格筋率は、まだまだであるが、カーブスから毎月送っていただく、プロテインの飲用、食事による蛋白質、カルシウム等の摂取も心がけることにより、その改善に努めて行きたい。
◆花の八十代
常に倦怠感におそわれ、「あゝだるい。」「あゝ眠い。」の連発もだんだんと影をひそめつゝある。
傘寿も何のその その時々を明るく元気に生きよう。カーブスからいただく魔法の杖を携えて。
筋力アップで残りの人生に花を咲かせようと前向きな自分に変身しつゝある。
続けてこその勝負、私の挑戦は限りなくつゞく。
筋力の 杖かろやかに 花衣
傘寿道 筋トレの道 花の道