「うわあ! 何と素晴らしい。こんないい景色初めて見た」屏風のようにそそり立つ穂高の山並みに圧倒されました。色どり豊かなテントが一層引きたつ涸沢。更に北穂高の頂上から見た槍ヶ岳は、天に向かって鋭く、ながめているだけでもう十分でした。5年前、60才の時です。その時、いや、その後も体力、技術も必要な槍ヶ岳は私とって別世界の山。登ろうとは考えもしませんでした。ところが昨年おっかなびっくり、何と槍の穂先に立てたのです。調子に乗って、もっとむずかしい剱岳に登りたくなりました。山好きの人達、卒業しようとしているのに・・・。剣岳は、若いうちに登っているべきよ。66才では無理じゃない?そうかも。だけど若い時は関心がなく、今になって山の魅力にとりつかれているのです。
カーブスマガジンVol.23で田部井淳子さんが、「山登りも、山以外の楽しみも、60才を過ぎてから拍車がかかり、人生はもっと面白くなった! 」と。私もそう、正に同感です。私の中での山は、先を競う訳ではないから健康でさえいればノロマでも登れる、うん、70才迄は行けると皮算用。ところが田部井さんは、74才の今も現役のバリバリです。そんなすごい方と一緒に考えてはいけないけど、四才のびた、ウッシッシ。74才迄いける、とほくそ笑んでいます。こんなしなやかな?心になれたのは、カーブスに入会したからと思います。
かつて、アルバイトしていた頃は、首が回らないほどの凝りようで重かったです。身は、こわれたおもちゃみたいにギシギシしていました。腰痛も時にありました。前かがみになっているな、しゃんとしなくては、と姿勢を正そうにもしっくりしない、フニャフニャして納まらないのでした。若い人は、スーッとした立ち姿。きれい! だけど自分の変な格好。情けなかったです。
退職したのは、東日本大震災の頃、主人はすでに退職してて家の中、私も家の中。いつも二人一緒では面白くない、その上連日暗いニュースと余震続きで気分も落ち込んでいました。
そんなある日、知人にカーブス、開店のパンフレットを戴いたのです。その時は、すでに山へ登る為の準備として、早朝歩きを初めていました。身を動かすようになって、首や腰の具合も良くなってたので、興味もありませんでした。ところが、久し振りに主人が外出したので気分がフランクに。何気なくつけたテレビには、偶然にもマシンを使った筋トレの様子が写し出されていました。「内容が同じ?」早速引っ張り出して確認したのです。あぁ、これだったのか。(一)好きな時間に、わずか三十分、拘束されなくていい。
(二)一ヶ月の月謝、一寸高く感ずるが・・・。と思いつつも、遊び心で予約の電話を入れました。一人でいたからこそ気持が動いて踏み込めたと思います。実際に体験でマシンを使ってみると、筋肉は早朝歩いているのより動かせていました。「これは、より効果があっていいな」と、その日すぐに決めて帰路につきました。貧乏性の私は、この年になるまで六千円ほどのお金を、おけいこごとに使うなんてできなかったのです。石橋をたたいて渡る、いや、たたいても渡らないような優柔不断の私ですから、あっぱれです。
週に三回通うのが効果的と聞いたので、そのつもりで始めたのに、いつの間にか楽しくって、月平均17回に通っています。丹沢山系をながめ、色とりどりのシクラメンが温室ごしに見えると気分もルンルン、ペダルをこぐのも鼻歌まじり。ポピーが一面、コスモスがいっぱいの丘、と素敵な所を通るのですから、華やぎます。「帰りは坂を登るから電動自転車にしたらいいよ。」と主人。「体力練成に行くんだから、自転車で往復三十分は丁度いいよ」とやんわり断ります。おけいこごとをすれば、それなりに上手になるが、カーブスは何年続けたからとて得意な一つとは言えない。一寸しやく。だけど最も大切な健康が得られる。カーブス暦、二年三ヶ月、すっかり一日のリズムとなった。身も(体重は重すぎて大きな口で言えませんが)心も軽やか。マシンとマシンとの間の有酸素運動は、足の強さと、心肺機能が高まっていることを実感してます。この分だと年代別の運動会に出れそうと突飛な考えさえおきる。メリハリのある生活で体調はすこぶる良い。首も腰も何ともなく、あの頃のことがうそみたい。わずかですが、田や畑を昔ながらの手作業でしていますが、喜々としてできるのは、身自体がしっかりしたからと思う。
人生にはどんなチャンスがあるか分らないものだとつくづく思う。全く思いもしなかったカーブスに入会して、より高度な山に挑戦しようとしている。いろんな人に出逢える喜びもある。良いことは、遠くに住む姉達に是非奨励したい。でも、その地にないのがすごく残念です。又女性の為の運動設備があるように、男性にも気軽に行ける別の所があったらと。今日、行く所がある。目的があると心に張りが生まれ元気になるんですね。私が通っている下荻野は83才が最高齢だそう。その年まで頑張れたらいいなと望んでいます。