私達仲間はいつもの様に体重を減らしたい、体脂肪を減らしい、おなかまわりも減らしたいなど様々な思い思いの事を目標に頑張っています。楽しい笑い声お話しが響き渡っています。又もくもくとマシンに向かって頑張っている人もいます。

 

 二月、私達御一行の仲間がおなかまわりが一位になったのでいつもの様に太らす会を予定している。私が計画するのだが、私はまだ経験がないけれど、これも私にとって楽しみのひとつ。こういう事が好きなのです。私の特技なのかも知れません。健康であるからこそできるのです。健康は幸福なことです。

 

 私は人間の幸福とは何だろうと時々考える事があります。幸福=心が満ち足りていること。
八十八ヶ所巡りであるお寺の住職さんが「誰も生まれたら死に向かって生かされている。この間いかに本人が幸福に生きるかと言うことです。だからその為には努力する事です。」歌の歌詞ではないけれど「幸福は歩いてこない、だから歩いて行くんだよ」全くその通りだと思います。

 

 昨年はいろいろな事がありました。結婚して四十数年可愛い初孫が誕生しました。下がっている目尻がそれ以上に下がり、そして又ぐうぜん私達の結婚記念日に.........。我が家にとっては最高の幸福を感じた時でした。

 

 その喜びもつかぬ間、頭のMRI・MRAの検査の結果五m/mの動脈瘤がみつかり破裂すると命にかかわります。毎日リスクをせおって生きるか、それとも手術です。二つに一つの選択です。今がいい時です。私はその場で即返事をしました。そして入院の手続きをして帰りました。お父さんはただびっくりしていました。

 

 四十年以上の友達にこの事を話した所「何で私だけがいろいろと病気にかかるのか?」と話した所「何ぜいたく言ってんの、五体満足で生まれたんだから手術で直るんだから。私なんて薬もないし、直る見込みはない。もう見えないんだから。あんたの孫の顔が見たいよ」と淋しそうに目に涙を浮かべてました。私もハッとしました。自分だけが不幸だと思った事が恥かしかった。
 娘が生まれた時からずっと一緒で実の子供の様に可愛いがってくれました。結婚する、そして孫が生まれ時は自分の子供以上の喜びでした。そんなものだから私は産みの親、友達は育ての親なんて言っておりました。孫を見た時涙を浮かべ顔をなでて一言「目が見えたら」でも、×○さんと四十年以上友達としてこんな目の不自由な人の面倒をみてくれて本当に幸福だよといってくれています。それを聞くたびに私も幸福を感じます。

 

 入院が七月二十一日と決まり、六階に決まりその日からいろいろと検査が行われました。そして七月二十九日と手術日が決まりました。カテーテルによる造影剤の検査が一番大変でした。又、手術の方法がお父さん、子供立ちあいのもと開頭クリッピング法。でも非常にやっかいな場所に出来ています。でも「僕頑張ります」と先生が力強く言ってくれました。うれしかった。
 入院した時から部屋の雰囲気が思わしくないので看護士さんに言って部屋の引越しをしました。年寄りとか寝たきりの人とかの部屋でしたが、前の部屋から比べると良かった。ストレスも感じないし手術前の体ですからね。私の我がままを聞いてくれて深く感謝しております。

 さていよいよ手術当日。前日降っていた雨も止まずかなり強く降っていました。手術は八時からです。髪の毛が前の方をそられました。そして点滴をつけられいよいよです。お父さん、娘夫婦、友達、仲間等がきてくれました。忙しいのに本当にありがとうございます。感謝しております。そして手術室まで送ってくれました。そしてサプライズとして千羽鶴を折って持ってきてくれました。短時間に千羽を折ると言う途方もないことをカーブスのスタッフのみなさん、御一行のみなさんが一枚一枚に願いを込めて折ってくれたのですね。グッと涙をこらえてありがとうと.........。

 

 ガンバッテの言葉を遠くに皆に見送られ手術室に入りました。いろいろと機械を取りつけられ二〜三秒で夢の中。いろいろとハプニングが起こっているとは知るよしもなし.........。
 そして八時間に及ぶ手術が終りICUからでて部屋に戻った時、初めて手術中けいれんを起こした事、そして場所が余りにも深くて神経がいっぱいいりまじっているので首の頸動脈より手術した事を聞かされ素晴しい先生に巡りあった、うれしかった。「先生ありがとうございます」深々と頭を下げたら先生は照れくさそうに笑って「良かったね、大変だったけれど八時間頑張ったから」

 そしてもう一つカーブスのスタッフ。御一行様の祈りを込めて折ってくれた千羽鶴が守ってくれたと思っています。世の中には不思議な事があると思います。リハビリの時も回復力が強くほめられました。退院するまでは大変だったけど十三日間で退院しました。でもあれほど頑張ってつけた筋肉があっと言う間に落ちてしまいましたが、筋肉って大切なものだとつくづく筋トレして良かったと思いました。

 

 この経験により留守をしていたお父さんの所には毎日の様に皆さんより差し入れがあり皆様の心温まる行為に感謝の気持ちでいっぱいです。そしてありがとう。病気して痛い思い、大変な思いはしたけれど、皆さんからの心温まる事に幸福を感じました。そしてスタッフの皆さん、仲間との温かい交流ができ、とってもうれしく感謝しています。
 今はすっかり良くなりいつもの様に仲間とカーブスで頑張っています。落ちてしまった筋肉をつけるため。でも又皆と一緒に筋トレできるのは幸福だと思います。

 手と足が不自由になって歩けなくなりました
 土を掘ることもスキーをすることも出来なくなりました
 でも神様ありがとう。あなたが持たせてくれたたった
 十グラムの筆ですがそれで私は花を咲かせたり
 雪を降らせたり出来るのです
 神様ほんとにありがとう
 星野 富弘