「黒いスカート、黒いスカート...。アラ10年前の物しかないけど、はけるかなあ。」
 クローゼットの前、おそるおそる足を通すとヤッター!はけました。

 カーブスに入会した5年半前は違いました。
 初めてお会いした若いスタッフの方に聞かれました。「ワークアウトを通してどんな貴女をめざしますか?」「体重を5kg落として、お気に入りだった服を着られるようになりたいです。」「では一緒に頑張りましょうね。」「はい、よろしくお願いします。」

 毎年1月にチャレンジ用チェックシートを渡されるので、1・2月は成果が出てニコニコ、でも3〜12月は元の木阿弥...。「1年間ずーっと続けてくださいよ〜。」「それは無理ですねぇ。」「じゃあ、私を見たら食べすぎていませんかと声をかけてくださる?」「それぐらいなら大丈夫です。」
 それ以来、声をかけられる度に「はいOKです。」と返事をしていたのが、いつの頃からか「食べ過ぎてまーす。」と平気で答えるようになり...。
 能天気だけど真面目さも併せ持つ私は(このままではいけない。毎朝体重計に乗ろう。)と思い立ちました。そこで去年の3月から体重を記録する習慣を続けていたら、なんと目標の5kgまであと少しの所までこぎつけました。その成果をスタッフの皆さんが一緒に喜んでくださるのが何よりも嬉しいです。


 私は1949年広島県呉市で生まれました。
 幼い日、こんな事を母からよく聞かされたものです。「共済病院の中で一番小さくて、先生が抱いてくださると掌にチョコンと載るぐらいだったのよ。保育器もなかった時代7月生まれだから育ったと思うわ。100日目には肺炎にかかって死にそうだったの。夜通し練炭火鉢で薬缶のお湯を沸騰させ部屋を暖めて看病した時は、生きた心地がしなかった。」
 それ以降も病気ばかりして、食の細いやせっぽちでひ弱な子に育ちました。

 小学校中学年の夏休み、校庭に集まってラジオ体操をしていた時、周りの人に比べて自分の体が曲がっていないことに気づきギョッとしました。
 10年後、大学生になって初めての体育の時間、先生から「君のように体がかちかちだと、50歳ごろになったら大変なことになるよ。」と言われました。でもその時は、中学・高校と運動部に所属して自分なりに努力していたので(小さい頃から体が硬いのだからしょうがない。)と思っただけでした。
 大学卒業と同時に名古屋に来て小学校教師となり、3年後に結婚しました。2人の男の子を産んで仕事と家事と子育てに追われていた43歳の頃、人間ドックで乳癌が見つかり、手術しました。
 病気をしたお蔭で人生の休息の時をもらい、ゆとりのなかった心に変化が起こってきました。1か月後に退院し車に乗った時、見慣れていたはずの風景がとても新鮮で、わざわざ旅をしなくても日常の中に「美」がたくさんあることを発見したのです。家に着いて家族と食べたうどんの美味しかったこと―――4人が元気で一緒にいる幸せをしみじみ感じ、高一と中二の息子達が成人するまでは死ぬわけにはいかないと強く思いました。そこで健康を取り戻すために、洋食中心から和食中心の食生活に切り替えたり、近所の川岸を毎日30分以上歩くように心がけたりして、生活スタイルを変えていきました。

 

 お蔭で私は元気になり、子供2人も大学生になりました。そして次男もようやく20歳になりホッと安心したのもつかの間、彼に脳腫瘍が見つかり手術することになりました。それを乗り越えたと思ったら22歳で再発、23歳で還らぬ人となりました。
 神様は試練を一杯くださるけれどあの世とこの世で力を携えて頑張っていこうねと次男の写真に声をかけてから出勤する日々が続いていたある日、美容院で「あなたも1日たった30分で10歳若くなろう」という小冊子を目にしました。そこにはウォーキングなどの有酸素運動だけでは筋力が充分つかないと書いてあり、青天の霹靂の中、さっそくカーブスに電話して通うことにしました。

 初めの2か月で体重が2kg減って(週に2〜3回のエクササイズでこれだけ減るなら、これからはどんなにスマートになれるかしら。)と期待していましたが、それからは数値に現れずガッカリ...。でも1年後に受けたあいち健康プラザのメディカルチェック良い判定をもらいました。又お医者様から「30分フィットネスは女性の運動として最適、これからも続けてくださいね。」と言われて(よーし、頑張るぞ!)と勇気が湧いてきました。
 やがて趣味が一緒のジョギング仲間ができて、ランチもする間柄になりましたが、2010年の退職を機に、カーブスも、職場の近くから住まいの近くへ変わりました。
 移籍後1年近くが過ぎ、息子から「お母さん、このごろ猫背になってるよ。」と指摘されてショックを受けましたが、都合よく「お腹スッキリチャレンジ」が始まりました。
 スタッフの方から「私は元々猫背でした。背中を丸めるとお腹に力が入らない分、そこにお肉がつくことを知って姿勢に気を付けるようになりました。するとお腹の贅肉がだんだん取れてきたんですよ。」と体験談を聞かせていただき、私もできそうな気がしてきました。そこで、お腹に力を入れお尻の穴を締め背筋を伸ばして歩くようにしたら、ひと月でウェストが2cm減りました。いくつになってもやればできるものですね。
 古巣にはトラベルパスを利用して時々帰り、ワークアウトの後に友人とウォーキングやジョギングを楽しんでいます。今は平和公園で行われるジョギング大会に向け、スタッフからショッキングピンクのTシャツを3枚借りたところです。当日はお揃いで着て、カーブスの宣伝をしてきますね。そのためにはちょっぴりカッコ良く走りたいので、練習頑張りま〜す!

 カーブス入会時の年齢56歳・体年齢57歳、現在の年齢61歳・体年齢59歳・・・努力は必ず報われる喜びをかみしめながら、今日もカーブス目指して歩きます。