転勤族で子どものいない私は、夫が知らない土地に赴任するたびに社会貢献のためというよりは、友だちを得る目的でボランティア活動に参加しています。釧路へ来てから始めた、そうしたボランティアの仲間の一人であるMさんが一昨年のある日、恐る恐る?カーブスのアンケート用紙を私に差しだしたことが私とカーブスの出会いになりました。
 

 体育会系ではないものの、体力には自信があったつもりでしたが、50歳を過ぎてふと気付くとキッチンのシンクに身を寄りかけて炊事をしていたり、ゴロリと横になってテレビを見ていたり、という自分の生活態度がちょうど気になりかけていた頃のことでもありました。

 ですから、数週間後、カーブス釧路旭町店の店長さんから電話を受けたときも、迷わず見学に行くことに決めました。たった一つ気がかりだったのは、遠からず夫の転勤がありそうだと思っていたことでした。しかし、その心配は長くは続きませんでした。
見学後に詳しい説明を聞くと、カーブスは全国展開しているというではありませんか。ならば、夫がどこへ転勤になったとしても、その転勤先はおおむね県庁所在地(北海道内に関しては例外もありますが)なので、移籍ができそうです。長く続けられるかどうかは私次第ということ。「よし!」普段は決断に時間がかかり、新しいことにチャレンジすることが苦手な私なのですが、この時ばかりは躊躇なく入会を決めました。
 

 ところが、入会して間もなく、札幌で独り暮らしをしている実家の母に異変が起きました。室内での転倒を機に髄膜腫という脳腫瘍が見つかったのです。母を兄嫁だけに任せておくわけにもいかないと、JRで片道4時間余りをかけて札幌へ通いました。ただ、炊事の殆どできない夫を放ったらかして札幌の実家へ行きっぱなしともいかず、釧路にもたびたび帰っていましたが、自宅にいても母の様子に思いを残して何事にも手がつかない何とも不安定な状態に陥りました。

 

 そんなときに助けられたのがカーブスでした。釧路に帰ってきている間は極力、カーブスに通うようにしました。カーブスでマシンに向き合っている時間は、母についてアレコレする心配を忘れていられました。サーキットの向こう側でマシンに向かって笑顔で体を動かしているメンバーさんたちの姿に励まされるような思いがし、たった30分でも無心で汗を流すことが、その時の私には、とてもありがたいことだったのです。

 やがて、母は開頭手術を受けることになり、相変わらず私は札幌と釧路の間を幾往復かしていましたが、ボランティアは休んでもカーブス通いは細々と続けられていました。そして、その運動効果のせいだったのか、心配や心労のせいだったのか、体重や体脂肪などの数値は順調に落ち始めていました。今にして思うと、その時期多少の無理をしてでもカーブスに通うことで、運動が習慣化したのかもしれません。

 

 幸い母の手術は無事成功し、リハビリ病棟を経て、数ヵ月後、退院の日を迎えました。頑固にも退院後も、まだ独り暮らしを続けたいという母を放ってはおけず、思い切ってトラベルパスを発行してもらって、実家に近いカーブスに通える環境を整えました。実際トラベルパスを利用できたのは数回でしたが、トラベルパス利用の私にもスタッフの皆さんはとても親切に接してくださいました。また、いつもとは違う店舗で違うマシンの配置で運動することもいい経験になりました。そこにもやはり、生き生きとした表情で、共に汗を流すメンバーさんたちがいました。実家で術前の記憶がまだ少しおぼつかない母と24時間顔をつき合わせている息苦しさから束の間解放され、ホッとできる時間が持てました。

 

 入会してから半年くらい経った頃だったでしょうか。カーブスはいいところなのになぁ〜と常々思っていながら、直接誰かに勧めてみたことはまだありませんでした。転倒防止のためには、母にもカーブスを勧めたいところではあるのですが、生憎母は医者もさじを投げたくらいのひどい外反母趾で、常に激痛をこらえている状況なので、勧められません。ところが、ある日、最初に私にカーブスを紹介してくれたMさんと同じボランティアの仲間であるWさんからカーブスのことを訊かれました。Wさんは、私がカーブスに通い始めてから少なからず体重を減らしていたことに気がついていたのですね。
 

 Wさんは親友のOさんを誘い、Oさんは自分のお母さんを誘って、今では週3回もカーブス通いを続けているそうです。サーキットの輪には10台か12台のマシンしかありませんが、カーブスの輪はどんどん広がって、サーキットの向こうに生き生きとした表情や笑顔が見られることが楽しい今の私です。

 

 半年前くらいのことだったと思います。釧路旭町のスタッフの一人に「Nさんの夢は何ですか?」と声をかけられたことがあります。50歳を過ぎて今さら夢だなんて・・・。私は即答できませんでした。でも、夢のない生活なんてつまらないですよね。あれから、考え始めて数ヶ月、最近やっと夢が見つかりました。
私の夢は、「転勤族を卒業する×年後にカーブスの近くに住まいを見つけること、そして、年に1度海外旅行をし、トラベルパスを使って現地のカーブスで汗を流すこと!」ネ、ちょっと素敵でしょう?!叶うかどうかはわからないけれど、人に誇れる夢だと思っています。

 

 さて、一方現実は・・・。どうやら、いよいよ夫の転勤が近いようです。カーブスも移籍しなくてはなりません。けれど、これからは知らない土地に住むことになったとしても、決して苦には思いません。そこのカーブスに行けば、ピカピカの笑顔、新しい出会いが待っているはずです。カーブスは私の気持ちをより前向きに変えてくれたのだと思います。