筋力がつくカーブス
「カーブスって良く宣伝しているけど、本当にいいの?」
今年七十九歳になる私に、友達は聞く。
「うん、手すりにつかまらなくては上れなかった階段が、今はつかまらなくても大丈夫。勿論、下りるときだって平気だよ。無料のおためし券があるからあなたも体験してみない?」
私自身、入会する気もちは全くなかったが、友達が誘ってくれたので参加してみた。説明を聞いて、マシンをひとしきり体験した後で、筋力測定をしたら、年齢よりも筋力が落ちていたのでびっくりした。
主婦は日常忙しくて、一日中殆ど動いている。私も、朝食を済ませ、新聞に目を通す時間がゆったりした貴重な時間だ。それからは、掃除、食事の準備、片付け等々、やることが沢山あって、結構動き回っているので、筋力が少ないなんて想像もできなかった。
入会する気持ちはなかったのだけれども、即入会してしまった。だって、私には大きな仕事が待っているから。
夫八十四歳、彼も年老いていくけど、同時に私も老いていく。老々介護がテレビや新聞に取り上げられて、中には悲しい事件も起きている。私が元気でいないと介護はできない。
以前、ヘルパーとして介護の仕事に携わっていた時、脳梗塞で寝たきりのご主人の介護を八十三歳の奥さんがしていらっしゃった。
寝返りさせることが無理なので、おむつ交換ができない。夜八時に交換に行って、朝八時に濡れた下着を交換していたが、奥さんの力では到底無理なので仕方ないが、奥さんもつらそうにしてみえて、お二人が本当に気の毒だった。
私も世話をする時がいずれ来る。(夫よりも長く生きるつもり)その時体力がなかったら、困るのは私自身だ。
カーブスに入会して四年が過ぎたけど、筋力は、同年代の人と比較してもついてきたように感じる。一緒に歩いていても、私は持久力があり、歩く速さも違う。
カーブスはたった三十分、そのうち筋力運動は十五分程度だけれど、色々なマシンがあって、足、背中、腹、腕、それぞれのところをしっかりと鍛えてくれるから本当にありがたい。
カーブスの魅力
運動することも楽しいが、会員さんとの会話が楽しく、また勉強になることも多々あってカーブスは私の生活に溶け込んでいる。
家では年寄り夫婦二人、会話も少なく、唯一猫が間に入って会話をつないでくれる。
カーブスに行くと、年齢に関係なく周りの人が声を掛けてくれたり、また、スタッフもしっかり声掛けをして、マシンの使い方をきちんと指導してくれる。
入会して三年目のことだったと思うが、精神的に疲れてしまって、カーブスに行くことすら億劫になってしまった。それでも家にいるよりは気がまぎれるかなと、重い足取りで出かけた。
隣の人と軽く会話ができるようになり、自分の今の気持ちを洩らしてしまった。
「何か足が重くて、来るのを迷っていたんだ。」
すると彼女は、
「迷ったら来る!」
そのあと、どんな話をしたのか記憶にないが、その人と話をしているうちに心が軽くなってきた。
「気分が重くてつらかったけど、あなたと話しているうちにすごく楽になったよ。ありがとう。」
「私ね、介護の仕事を二十年以上やっていて、その間つらいこともあったけど乗り越えてきたから、人の気持ちが理解できるんやよ。」
その人のおかげで本当に楽になって、カーブスにも気持ちよく行けるようになり、皆とも楽しくおしゃべりができるようになった。
たまたまその人の隣になった時、
「今日ね、どうしようかなあと思って...」
言いかけた途端、
「迷ったら来る!悩み解決!」
そのひとことで、スーとして、また会話がはずんだ。
カーブスに来るおかけで、身体だけでなく、心まで軽くなるのは本当にありがたい、その人にも心から感謝している。
感謝
○○kgやせた。
コレステロールが下がった。
血圧が下がった。
カーブスの本には、素晴らしい結果が書いてあってうらやましいと思う。
しかし、後期高齢者だから、若い人のような結果は期待できないのは当たり前かもしれない。週三回から四回通う事で、階段がスムーズに上り下りできるようになったのは、大きな成果だと思う。
手すりにつかまって上り下りしていたのが嘘みたいで、誘って下さった友達に感謝している。
今はコロナの事もあって、誘っても(行こうかな)という気持ちになってもらえないのが残念だ。
「カーブスに来ると運動は勿論だけど、心が軽くなって優しくなれるよ。」
コロナが終息したら、また友達に声を掛けて、誘いたい。
「サルコペニア」
最近よく聞く言葉だけれども、七十九歳になろうとしている私には、今のところ関係のない言葉だ。日常生活に支障がなく、一日一日元気で過ごせる事は、本当にありがたい。
そして、下手なりにもこうして書かせて頂けること、ボケ防止にはありがたく、心から感謝です。