換気のために開けられた扉の向こうは朝からの雨が霙に変わっていた。三月下旬というのに寒い一日だった。時々気になっている事があった。それは私の入会以来の通算ワークアウト回数だ。いつもに比べお天気のせいもあってか、お教室は空いていてコーチにも余裕がある様に見えた。
"Mコーチ、私のワークアウト何回になったか調べて頂けます?"とお願いした。間もなくカーブスを始めて5年になろうとしている。地元に居る日は殆ど通うカーブス、旅行の時でも夫は"カーブスやってから行くでしょ"と言ってくれる。コロナ禍で遠出はせず二人で車の旅行が多いせいもあるが、私の毎日が"カーブス在りき"である事を理解し応援してくれているからだ。緊急事態宣言でカーブスが閉鎖になった時もあったりしたが、一体どれ位この扉を"こんにちは"と言って入ってきた事だろうか。
帰り支度を終えた私にMコーチが"礼子さん何回だと思います"とニコニコしながら聞いてきた。"ウーン"心の中では1000回は超えているだろうなーと思いつつ次ぎの言葉を待った。"何と今日で1200回"何度か尋ねたかったがタイミングをはずしていた私は丁度1200回は嬉しかった。そしてその3日後が丸5年になる日だった。つまり1年に240回 月平均20回
コロナでお休みもあった訳だからこの数字は立派だ。頑張った自分を褒めてあげたい。早速帰宅して夫に報告すると思った程の反応は無かった。せっせとリュックを背負って片道20分歩いて通っている私の姿は彼には当たり前になり過ぎているのかも知れない。娘や孫は"凄いことです。継続は力なりですね"なんて言ってくれた。
私の通う行徳駅前教室は駅の近くで銀行や買い物をするのに便利な所だ。都内へ出かける時も行く前あるいは帰りにワークアウトを済ませる事ができる。演劇鑑賞の際も軽い靴と水筒を持ちカーブスに寄れる様にしている。朝起きて着替えの時も"カーブスへ何を着て行こう"で決める毎日だ。行くのが当たり前になって5年。"石のうえにも3年"という言葉をとうに越えていることになる。
最近その理由が分かってきた。ワークアウト後の爽快感・熱心にコーチが健康に良さそうな情報を伝えてくれる等いろいろあるが何と言っても人との出会い・繋がりではないだろうか。
昨年11月暫くお会いしていないなぁと思っていたT子さんが、まだ治療薬も見つかっていない病名を医師から告げられ不安なのよ...と話してくれた。心優しい隠やかなT子さんには神様が何とかしてくれるに違いないとその日私は日記に書いた。数ヵ月経つ今もお元気のようだ。
一昨年のある日コーチに夢を語ったK子さん。昔の同僚とスイスのユングフラウを登るために体を鍛えているとのこと。何と素敵!その後親しく言葉を交わす機会が増えた。彼女はまるで少女の様に"大きな大きな夢の袋を持っているのよ"と語ってくれた。文学や演劇の話をしていると10代の頃に出会った友人の様に思えてくる。不思議だ。
お体を壊し入院、久し振りにカーブスでお会いした時はお声を聞いてやっと分かったくらい様子が違ったKさん。ワークアウトも大変そうだったが頑張って通う彼女がどんどん動作も早くなりお元気になっていく姿は私達に何かを伝えてくれている。ありがとう!
10年後の自分があの方の様だったらいいなぁ...なんて考えながらカーブス通いに励む私は10日後に73才になる。今までにない程汗をかく等体の変化も期待できそう。熱心なコーチのかけ声はいつも背中を押して下さっている。
そうそう、忘れてはならない夫の応援 いつもいつもありがとう!
佳作
「素敵な仲間へ」
カーブスって
どんな運動?
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