「おはようございます」お店のドアを開けると、指導中のコーチの元気な声が飛んできます。チェックインしながら慌てて振り向くと、コーチの笑顔がありました。「今日もしっかり筋トレにはげみますョ」と返事をしたくなるのです。
私、今年86歳になり、カーブス歴7年になります。石の上にも3年と昔からの言葉がありますが、ここまできたら10年なんてもうすぐだと自分に言い聞かせるこの頃です。
7年前のこと、夫が倒れ夫婦だけのわが家で老老介護を現実にして、これから先のことを考えた時は、正直のところお先真暗な思いでした。
近所のKさんは夕方になると、カーブスへバイクで出かけていました。カーブスのことを聞いた時、「いつでも見学出来るし、体験もさせてもらえるし、いらっしてみて」とすすめられました。
八十路を目前にして私は、この歳では―と考えもしましたが、まずどんな所か、どんな筋トレなのか見学でもと、訪ねた私でした。
私の娘か孫かのような若い溌剌としたコーチの方が、私の訪れたきっかけから聞いてくれました。老老介護の大変さに深くうなづきながら、励ましてくださるコーチに先ず、うれしさがこみあげてきました。
その夜、夫にカーブスの話をし、明日から筋トレに通うことを言いますと、夫は「どんな筋トレか知らんけどその体でやれるのか」と。夫の頭には、きっとダンベルを持ち上げたり鉄棒にぶら下がったりのトレーニングを頭に想い浮べたらしいのです。
カーブス創業者ゲイリー・ヘブンさんが病弱で早くにお母さんと死別されたことの悔しさから「女性の健康のため」に、カーブスをオープンされたことを話しました。
トレーニング室には、12台のマシンがあり、交替しながら2周する。コーチは各々のマシンの動かし方を見ては指導したり、「いいですね。そのまま続けましょう」と励ましの言葉もかけている等、体験した日のことを話しました。実際に見ていない夫で私の説明で理解出来たかどうか「まあやってみれば・・・・・・」の言葉でした。1週間や10日で成果が出るものではないと私の中にもあり「とにかく体験してみるわ」と、この程度の会話でした。
マシンそのものも初体験であり、コーチの付きっきりの指導でマシンの乗り方、降り方、動かし方等、体にどう影響するか、マシンを動かしながらの呼吸法、動かすときの姿勢などコーチの指導にうなづきながら1周した時の気分は、今までにないさわやかな気分を感じることでした。今まで運動らしいことはしていませんが、運動神経は悪くないと自負はしておりましたが、指導内容を正しくとらえていこう、要はきちんと出来ることを大切に続けることだと思いました。
カーブスでのトレーニングを初めてから2、3日しておどろいたことは、腕に足に力を入れて動かしたのに疲労感を全く感じないこと、筋肉のどこも痛くないことを知り、体全体が軽やかに動くこと、例えばカーブスの2階へは22段の階段があり手すりもつけてある。店への昇り降りをとんとんと軽やかな動きの自分におどろきました。筋トレを済ませ外へ出ると一そうのさわやかさを感じて「これがカーブスなのだ」と思いました。
また筋トレと合わせて人間の体に大きく必要な蛋白質の摂取のこと、誰しも学生時代勉強してきた栄養素の一つでありながら、カーブスでのように筋トレと平行して深く学び、考えることもなかったと、反省のひとつ。
ある日カーブスからの帰りのこと。「きねさーん」と呼ばれて振り向くと、友だちのYさんです「きねさん元気だね、80すぎた人の歩き方じゃないね」と云う。「80すぎた私だもの80すぎの歩き方よ」と笑うと「だって、私なんか75歳よ、きねさんに追い着けなくて小走りしたのよ」と友だち。人様に元気ですねとよく言われるこの頃ですが、人様からの褒め言葉として受けとめてこの元気さを持続させねばと思っています。
私の身辺も私を含めて髙齢者社会「身じまい」とか「死に仕度」とかの言葉をよく聞きますが、昨今は人生100年代と言われ、100歳の人生をお元気でおられる方が私たちのまちにもおられます。お元気の秘訣は?と聞いてみたくなります。そうなのです。私も長生きしたい。背すじをしかとのばして美しく老いたいと心から願っています。明日からの人生は全く未知の世界ですから、元気で生きられたら喜びや楽しさを考えることが出来る。人生を永く歩いてきたのだから―と、考えただけでも、カーブスでの鍛練を続けようと思います。
老いの証かも知れませんが時々腕が痛い、腰が少し痛いと感じることがあります。
コーチは痛い時は決して無理をしないで、とかゆっくり動かしてみましょう等と声をかけてマシンの動きを見守ってくださる等やさしさを感じながら百歳の自分を目標に置いて明日も楽しくはげみます。
わが命あと幾年か知らねども
生きる喜び今日も明日も
佳作
「生きることの喜び」
カーブスって
どんな運動?