「苦しい~。」職場での昼食後、食べ過ぎて制服のウエストのボタンを外すのが、日課となっていました。常にお菓子いっぱいのお菓子箱。昼食後食べ過ぎとわかっていながら、つい視覚で欲してしまう。このままではいけないと思いつつも、長い間そんな毎日から抜け出せないでいました。いつの頃からか何を着ても似合わなくなり、そしていつの頃からか少しずつ化粧のノリも悪くなってしまって・・・そんな風に、下降気味の自分を一番よくわかっているのは、他の誰でもなく自分自身でした。が、わかっていながら、そんな現実の自分を直視できないでいました。毎日の生活を変えるには何か大きなきっかけが必要でした。自分を変えるきっかけを作るべく、何度となく色々な事にトライしました。夏休みに子供達に伴走を頼み、夕食後5kmのランニングをしたりしましたが、子供達の夏休みが終わると同時に続かなくなりました。ある時はエクササイズのDVDを購入し、毎晩一時間程汗を流した事もありました。しかし、ゴールデンタイムに一時間もTVを独占することを家族が許すはずもなく、諦めざるを得ませんでした。またある時は一念発起してジムに通い始めたのですが、始めて一カ月程したある日、自分にはハード過ぎたメニューの積み重ねにより、膝を痛めてしまいました。こうして、今の自分をどうにかしたいと思う気持ちを持ちつつも、実りのないまま毎日を過ごしていました。
そんな私がカーブスと出会ったのは、今から約半年前の事でした。以前からカーブスとは「有酸素運動と無酸素運動を交互に繰り返し、サークル状で行う女性だけのトレーニング教室のような所」という認識を持っていました。たぶん、あの大きな紫色の看板が、意識していなくても目に飛び込んできて、頭の片隅に何となく居座っていたのでしょう。半年前の私は、私史上最高の体重に差し掛かっており、とりあえずまた何かを始めなくてはと焦っていました。それで、兼ねてから頭の片隅にあったカーブスのホームページを検索し、誰に紹介されたわけでもなく、自ら思いきって説明を聞きに行くという、私にしては大胆な一歩を踏み出したのです。そして、体験をした後入会するのにそう時間はかかりませんでした。こうして、カーブスに入会したことで何かが変わりそうだ、という期待にも似た願望を抱きつつ、週2~3回仕事帰りに通い始め、1日30分間筋トレ・ストレッチをするという新しい生活が始まりました。女性ばかりであるという事、30分という短時間でストレッチまで終わってしまうお手軽さ、それに一つ一つのマシーンの時間が決められているので、無理をしないですむ事等々、私にとって続けるのに何の障害もなく、むしろスタッフの笑顔に元気をもらって、楽しく続けられそうだという予感さえしていました。ただ当初の私は、一か月も続ければ何らかの効果が出るだろうと思っていました。しかし効果が出るどころか、反対に徐々に体重が増加し、一か月の間に1.5kgも体重が増えてしまいました。スタッフの方から、「最初多少体重は増加する。」と説明して頂いてはいたのですが、それも耳に入らず、「これ以上太りたくなくて始めたのになぜ?」「こんなに汗をかいて身体をうごかしているのにどうして?」と、ショックを隠せませんでした。いつもの私なら「カーブスも私には合わなかったんだ。」とここで諦めていたのでしょうが、この時の私は切羽詰まっていました。一体何が悪いのか、何をどう変えていけばよいのか今までになく、真面目に考えました。そして背水の陣で臨むと決心し、まず最初に1日の摂取カロリーを記録することにしました。このことにより、毎日の過剰摂取カロリーを把握しようと思ったのです。そして、スタッフの方の助言通り運動後のプロテイン摂取と、効率的に食品でたんぱく質を摂ることを常に心掛け、筋肉を少しでも増やそうと考えました。そして、1回の食事の中でも最初に野菜そして最後に炭水化物を摂るなど食べる順番にもこだわり、自分が良いと思ったものは全て徹底して実行してみました。勿論1日1リットルのお水も欠かさず飲みました。
そんな生活を続け、気付いたら色々な所に効果が現れ始めていました。家で体重計に乗る度に少しずつですが体重が減っていきました。それから、勤務先での昼休みに300m程離れた銀行まで自転車で走っている最中に「あれ?軽い!息が上がらない!!」と、自転車をこぐペダルの軽さに驚き、楽に自転車をこげている事を実感したり、帰宅してハイソックスを脱いだ時「あれ?肌に付いていた白い粉が消えている!」と、いつも冬~春にかけての乾燥する時期に肌に付いていた白いカサカサした粉が、気付くと消えていたのです。食事だ!と思いました。そういえば入会した時にスタッフの方が、「たんぱく質をしっかり摂ると肌の乾燥が防げる。」と言ってみえたのを思い出しました。こういうことだったんだ!と驚きました。それに、体質も改善されたのでしょうか、長年苦しんでいた花粉症も今年は調子がよく、本来ならばゴールデンウィークまで服薬を続けるところですが、3月中旬より服薬もしなくてよくなりました。まだあります。お腹周り、背中の辺り、足の感じ・・・何がどう悪いのか何を着ても似合わず、鏡を見るのがとても嫌だったのですが、先日洋服を買いに行き、いつものサイズのジーンズを試着したら、どこもかもブカブカでびっくりしました。しかも試着をして鏡の前に立つと、似合うとまではいきませんが、鏡に映る自分の姿が以前はあんなに嫌だったのに、あまり抵抗がなくなっていました。背中がしゃんとしていて、太ももが引き締まり、何となく若返った感じがしました。まさしく筋トレの効果だと思いました。こんな風に顕著な効果を実感したのは50年の人生の中で初めてでした。
こんな風に、この年齢で自分の身に色々な変化が起こるなんて、考えてもみませんでした。「凄い毎日を手に入れたもんだなあ。」と思いました。そしてそのことで、加齢により失っていた自信さえも取り戻しつつあると、改めて感動しています。そして今は、「60歳でホノルルマラソンに参加する」という友人の目標が私の目標にもなりつつあります。
一年前には全く想像し得なかった、精神的にも肉体的にも健康的な生活をすることができ、とても有り難く感謝しています。また、体力がなくなってきたと感じる年齢だからこそ、受け入れられ努力することができたのだと、タイミングが良かったのも良い結果を生んだ一因ではないかと思っています。
最後に、カーブスを通じて感じた、筋トレ・食事の大切さを私の周りの人達に伝え、思いを共有していきたいと思います。
佳作
「私が手に入れたもの」
カーブスって
どんな運動?
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