平成27年3月31日
とうとうこの日がやってきた。
恐れていた・・・いやいや待ち望んでいた(!?)・・この日・主人の退職の日である。
結婚して37年5ケ月・・・戦場へ出て行く主人を送り出してしまえば、我が家は私の城だった。団塊の世代である主人は、あの頃の誰もがそうであったように仕事はとても忙しく、息子二人の子育て期も不在がちだった。
それも長い年月を重ねるうちに、気弱な母もだんだんと強い母へと変貌を遂げ たくましくなった。

めでたく齢60を迎え還暦イヤーの今年、主人も完全退職となった。60歳の定年後5年間働いてくれたことは、二度のガンを患ったことを考えると称賛に値すると思っている。
これまで長い間家族のために、まさに粉骨砕身働いてくれた。感謝してもしきれない程、大きな存在である。
今後はどうかゆっくりと、のんびり余生を過ごしてほしい。・・・と本音の本気でそう思っている。・・・がしかし、主婦の先輩諸氏のほとんど全ての方々が口をそろえて仰る。
「たいへんよ~」「体調を崩した人を何人も知ってる」「慣れるまでに○年かかった」等々、衝撃のコメントは枚挙にいとまがない。言われるまでもなく、それは容易に想像できる。〔こもり虫〕さながらに、主人は家にいる(いたい)タイプである。

これまでは私だけの時間、私だけの空間であった場所に、どんなポジションで二人が居ればいいのだろう。
つまり・・・私は"ひとり"をこよなく愛する人なのだから。
主人には多大なる感謝と尊敬の念を抱きながらも、一方で4月からの〔2人の世界〕を案じている私は、なんて夫不幸な妻だろう。
今さらながらの説明になるが、タイトルの定年じーじは65歳で二度目の定年となった主人。年度末をもって職業人としてのお勤めを晴れて卒業し、自由の身となった。

そして私は・・・2008年8月入会のカーブスばーばである。
会員になってから何十回もの計測日を経験してきた。毎回、できれば避けて通りたいのがこの日。実年齢60歳。体年令58歳。この数字の差は入会以来ほとんど変わらない。
いつも2~3歳若いだけ・・・これを喜ぶべきか憂うべきか。
実は体重を含め、その他の数値も大きな変化はない。日頃の食生活を棚に上げ、毎月の計測にため息をついていた。

・・・それが・・・
2月の測定では夢のような結果が出た。いつもは実年齢との差がほとんどないのだが、スタッフの言葉がにわかに信じられなかったほど驚いた。

その日、確かに身体はよく動いた。
片足立ちも難なく立ち上ることができたし、我ながら安定感があり、さほど疲れることもなくやってのけた。

・・その結果、
なんと驚異的な35歳という奇跡の年齢が出たのである。いやはや・・嬉しいどころのレベルではない。私のこの7年近い年月は、決して無駄ではなかった。知らず知らずのうちに、こんなにも体力がついていたのだから。
二の腕やお腹の肉は健在でも、体重は横ばいでも、体力年齢35歳は金ピカの勲章だ!そういえばいつの頃からか、気がつけばとても力持ちで疲れ知らずが自慢だった。
近くに住む孫たちを預かる機会が多く、そのためにもパワー全開でいる必要性はあった。
楽しくて面白い元気なばーばでいることは、孫と過ごす必須アイテムなのだ。私が元気でいられるのは孫効果に違いないと思っていた。もちろんそれも要素のひとつには違いないだろうが、今回の筋力チェックで出たこの体力年齢はカーブスに通ったことの証しに他ならない。マシンのひとつひとつに「ありがとう」と言いたい気分だ。

思えば私のスタートは、更年期うつからの脱出のためにカーブスの門をたたいた。その後も1年近くに及ぶ五十肩に苦しみ、予期せぬ主人の病気もあり、まさに山あり谷ありの年月だった。
その都度、ひとつひとつのアクシデントに打ち勝つ力はなかったけれど、カーブスを続ける力は残っていたのは幸いであった。
この勢いでいけば、主人とのこれからの暮らしにもやがて適応していけるだろう。典型的な「自宅滞在型オタク」の彼は、この先きっと一日のほとんどの時間を家で過ごすだろう。本当は私も同じで、出たくない派なのだが、この際これを期にカーブス通いを有効活用して外に出る時間を増やそう。

主人の退職を機に、2台の車を1台にした。どこに行くのも車で動いていたが、これからは歩いて行動しようと思う。もちろん・・・カーブスも歩いて来よう!
歩くって素晴らしい。
歩くって気持ちいい。最高~~そう思えるように。

突入した60代。60代を脱出する時も今と同じくらいの体力とメンタルでいたい。70代は決して遠いものではないことを、60歳になった私は知っている。
時の流れは本当にあっという間なのだ。
1年後、5年後、10年後の自分に失望しないよう、現在をきちんと生きてゆきたい。主人だって同じこと。
せっかく与えられたたくさんの時間を、思いっきり弾けて過ごしてほしい。孫たちがよく言う「ばーばんちのじーじ」は笑えるけれど、あまりにも気の毒なフレーズだから。