「あいかとお父さんでいってらっしゃい。お母さんは、ここで待ってるから。」よく娘と夫婦3人で旅行に行くのだが、目的地まで歩く事が要求されると、決まってこの言葉が出てくるのである。昨年も中国に観光旅行に行った。主な観光地を回ったその中で、万里の長城があった。皆、万里の長城を歩いて登るのであるがその光景を見たとたん、「お母さん、ここで待ってる。2人で行ってきて。」いつものセリフである。私と娘で登り、雄大な景色に感動するのだが、やはり素直に喜べないのである。お母さんがここにいないさびしさが存在するのである。家族一緒に行動し、楽しさを共有する事ができなくなった。
最近は何をするにも疲れたと体を動かさなくなっていた。10年程前は3人でトレッキングというものをして、山を歩き四季の草花など見て、澄んだ空気を満喫していた。ところが、年を重ねると気が滅入り、歩くことがおっくうになっていた。私が思うに職業柄、看護師として4交代勤務をこなし、毎日の業務も体力がいると聞いている。だから体力はあると思う。仕事ではしかたなし、いやがおうでも体を動かさなければならないが、いったん仕事から離れると体を動かそうとしないのである。私が何度も歩こうと誘っても「私はダメ」といつも拒否されていた。
ところがである。ところがある日、妻が私に「友達から聞いたんだけど『カーブス』という女性だけの運動する所があるんだって。駅前と便利な所にあるし、何より無料体験ができるんだって。一度見に行ってこようかしら。」と無料体験を参加する事になった。昨年7月13日の事である。妻の弁「まず場所が明るくスタッフの元気な声、やさしく指導してくれる中、60才、70才の人々が生き生きと動き運動しているのを見て、自分は足も上がらず座ることすらお腹がじゃまして、これではと痛感して入会する事にしました。」「女性ばかりで男性の視線を気にしなくてよい。1回のレッスン時間も30分ぐらいで、私でもやれそう。」
妻は一度気が向くと一直線に突っ走る性格で、ここまでやって大丈夫かと思うほどのめりこんでいった。仕事の行く前、終わってから、さらに、夜勤入りの前、明けの日までも。スタッフの指導のもと、食事調整を行い、健康補助食品を飲み(私も飲まされているが)、健康に良いといわれる食べ物を取るなど気をつけるようになった。「つるみさん、という呼び方に、お母さんではなくなんとなく若くなったような感じ、これが実に気分がいい。母親でも妻でもなく、ひとりの女性としてカーブスをする。年を取った先輩に負けられないなと、自分にやれる、がんばろうと言い聞かせはげみました。」すると、8ケ月もするとどうでしょう。体重10kg減、腹囲14cm減と、みごとに痩せたのである。
やせた事により洋服のイメージも変わってきた。妻が言うには、洋服を選ぶコーナーが増え、多くの種類の中から選べるようになったと。自然と洋服も明るい若々しいデザインを選び、みごとにそれを着こなし、夫の私が言うのもおかしいがきれいになったのである。先日も娘と2人で、自転車で洋服を買いに出かけたのである。以前では考えられない事である。
先日、いつものように3人で旅行に出かけたが、この旅行内容がカーブスの生活により変わった事が象徴されていると思うので紹介したいと思う。2泊3日の旅行で、行く先は志賀高原だ。
1日目、午前10時自宅を出発。車を走らせ高速道路を使い目的地へ。途中、トイレ休憩などでサービスエリアに立ち寄るが、いつもならトイレのあと、店に入り試食などあればつまんだり、軽食などを食べる事が多かった。ここでカーブス効果その1。食べ物を口に入れる事なく水分はしっかり取り、イスに腰かけ、ストレッチを始めたのである。むずかしい物ではなく簡単な動作であるが、そればまた不自然ではなく、動きがスムーズできれいなのである。午後3時、目的地近くのインターチェンジを降り車を進めていると、ユニクロが目にとまった。娘と2人が服を買いたいと。ズボンをさがし、お気に入りのジーンズを見つける。ウエストを調べサイズを合わせると、嬉しそうに前のサイズのものをはき、にぎりこぶし1個が楽々入ると。さらに娘から「パパもジーンズをはいたら」と言われ、今まで一度もはいた事がなかったが、人生54年初めて買い、カーブス効果その2、夫婦おそろいのジーンズをはき、ファッションを楽しめるようになった。
夕食は自炊である。近くのスーパーで食材を買って作るのであるが、カーブス効果その3、今までの旅行に行くとバイキングで腹いっぱい、いやそれ以上に食べる事があった。それが自炊によりバランスを考え、もずくなど体に良いといわれる食材を取り入れ、デザートもヨーグルトを買い食べたのである。
2日目、午前中は近くの地獄谷温泉へ行く事に。ここは猿が温泉につかっている所を見学でき、野生の猿がたわむれているところである。ここは駐車場から現地まで片道30分ぐらい歩かねばならない。おりしもこの時期は雪がつもり、すべりやすく歩きにくいのである。カーブス効果その4、なんとお母さんが車をおりるとすぐに先頭を切って歩いて行くではないか。両手をしっかりふり、背すじを伸ばし姿勢もきれいなのである。娘があまりにも早く行くので、雪ですべって崖下にでも落ちないでよ、と心配する程であった。目的地に着いても息も切れる事なくほのかな猿の光景を楽しみ、家族3人有意義な時間を持つ事ができたのである。午後からも民族博物館などを見学したが、周りの公園をしっかり散歩するなど、今まででは考えられない事の連続であった。
3日目、長野の善光寺参りに行った。さすがに試食に手を伸ばしたが、その分しっかり歩き、十分に消費したのであった。カーブス効果その5、もともと性格は明るい方ではあったが、しっかり体を動かす事が自然のふるまいになり、心身共に健康になった。最近の健康診断でも、血液検査のデータも全てよくなり、先生からもびっくりされたのであった。旅行後もお母さんは毎日の生活の一部としてカーブスがあり、毎日楽しい日々、めりはりのついた生活を送るようになった。また他の人にもカーブスの良さを身を持って伝え、それも楽しみになっている。こうしたお母さんを見る事は非常に嬉しく、ほほえましく感じるのであった。
まさに、カーブス万歳である。カーブス万歳。
佳作
「妻の変身、夫の驚愕」
カーブスって
どんな運動?