4年前に、女性だけのための30分筋トレというカーブスの看板を見て気になっていた私は、すでに通っていた職場の友の紹介でカーブに行くことにした。
 ドアを開けると、圧倒されるほどの元気な声が飛び交っていた。
 そのときの私の体は、下半身太りで、お腹が胸よりせり出しているため、友達から妊婦のようだとからかわれていた。ウオーキング、スイミング、エアロビクスといろいろなものに挑戦したものの、何一つ長続きしない。
 

 そこで、ここが最後の砦なのだと自分に言い聞かせ、カーブスに入会し、毎日通った。スタッフは、毎日頑張ると筋肉が疲れるよと忠告してくれたが、正しくマシーンが使えるようになりたいことと飽きっぽい性格なので習慣にしたいと説得し、通い続けた。
 4ヶ月休みなく通った結果、体に変化が現れた。せり出していたお腹は、胸より引っ込み、姿勢もよくなった。体も軽くなったようだ。この間、仕事をしていた私の代わりに食事を作ってくれていた主人に、「カーブスから手のひら1杯分のタンパク質類と手のひら3杯分の野菜類をとりなさいって言われたよ。」と言うと毎日野菜たっぷりでヘルシーな献立を作ってくれた。そのおかげもあって体重も目標の4キロ減を達成できた。
 さっそく写真を撮ってもらい、入会時に撮った写真と合わせて、1枚の紙にまとめ、通っているカーブスに持ち込んだ。スタッフは、すごく感激してくれて、カーブスの壁に貼ってくれた。今でも貼られているその写真を見て「励まされるよ、すごいねぇ」と言ってくれるメンバーさんたち。注目されているので、昔の状態に戻るわけにはいかないと自分に言い聞かせながら毎日筋トレに励んでいる。
 その写真に励まされて入会した友人知人は数知れず。当時営業職をしていた私は、顧客の所でもカーブスの良さを熱く語っていた。
 

 そんな時、80歳で一人暮らしをしていた母が、肺炎で入院した。それまで、病気とは無縁で、毎日自転車で飛び回るほど元気だったので、母はもとより私も大変なショックをうけた。入院も2、3日だろうと思っていたが、なかなか熱が下がらず、入院は2週間にも及んだ。その間私は、仕事の前に病院に行き、母の家に風を通し、仕事を終えると母の家から着替えを持って病院に寄り、母に声をかける、そんな毎日は、慣れない私にとってかなり体力を要した。
 近所に住んでいたにもかかわらず、元気なのをいいことに母のもとを訪ねることが少なかった。もっと早く気付いていれば入院も避けられたのかもしれないと自分を責めた。母が病院のベッドに横たわり点滴を受けている姿に、母も間違いなく80歳なのだと実感せざるを得なかった。その母も、点滴の腕を見ながら、「私も80歳なのねぇ。このまま逝っちゃうのかなぁ。」と弱気なことを言い出す。
 そのときに、もっとこの母を元気にして、1日でも健康で長生させようと心に誓った。
 そこで、営業の仕事を辞め、母に一緒にカーブスに行かないかと誘ってみた。母は、毎日1人でウオーキングだけはしていたが、体はますます肥満になり、血圧、血糖値が上がるばかり。「もう歳だから」と口癖のように言う母なので、この誘いにはのってこないと思っていたのだが、なんと「行ってもいい」と言い出した。母も入院をきっかけに健康でいたいと思ったに違いない。
 

 それから4ヶ月、母は週3回の目標を休むことなくこなしている。運動するのだからと靴を新調し、Tシャツも明るい色を着るようになった。
 入った当初は、「チェンジ!」というかけ声で思うように移動できなく、子を見守る母の心境でハラハラするばかりだったが、今では他の80歳代のメンバーさん同様、機敏に移動できるようになった。マシーンの動かし方も時折注意を与えると、次の時にはしっかり直っている。
毎日通う私に、「今日はお母さん、来ないの?」とスタッフもメンバーさんも聞いてくる。母は、注目されているようだ。
1人暮らしの母の食事は、いい加減になりがちなので、カーブスに行った後は、母の作った昼食を一緒にとっている。そのため、食生活も当初と比べるとだいぶ変わってきたように思う。その結果、母は、前の閉まらなかった上着のファスナーが楽々閉まったよ喜んで話してくれた。
 今は、「お腹すっきりチャレンジ」の秘密の紐で図るたびに成果が上がっている。スタッフやメンバーさんたちに声をかけられていることも励みになっているようで、そんな笑顔の母を見るにつけ、誘ってよかったとつくづく思う。
 生きがい、目標、人との出会いを叶えてくれたカーブスに感謝しつつ、いつまでも母と笑顔でカーブスに通っていきたい。