私の趣味は手作りお菓子を作って友人に喜んでもらうことです。また、市民団体に入って平和活動を15年以上続けています。最近は楽器を覚えて音楽仲間で楽しい時間を過ごしています。
子どもが成長し手が離れて、夫にも手をかけないようにしているのに、家事に時間がかかるようになり、自転車でふらついたり、階段を踏み外しそうになったり、歳を重ねることはこういうことかと、だんだん自分の体力、集中力、気力に自信がなくなってきていました。やりたいことはたくさんあるのに、気持ちばかりで体がついていかないのです。無理して怪我などしないように、やりたいことを少しずつ減らしていくしかないのかと半ば諦めていました。

 また、体を動かすことが減っているのに食べる量は変わらないので、じわじわ体重が増えて、着られる服も限られてきてどうしようと困っていました。

 そんな頃、OL時代の友人からカーブスの筋トレを勧めてくれたのです。私は元来、体育が嫌いで、飽きっぽい性格です。でも、みんなと楽しくスポーツするのは好きで、OL時代も当時流行ったテニス、エアロビクスなど趣味程度に楽しんでいました。友人は私のそんな性格をよく知った上でカーブスを勧めてくれました。

 昔からの友人からの勧めはそれだけですごく説得力があり、すぐに始めてみようという気持ちになりました。実は近所の友人もカーブスに入っていてお話は聞いていたのですが『筋トレ』という名前だけで私には無理!と決めてかかっていたのです。

 以前(40代)はウエストがきつくなるたびに自分なりのダイエットでどうにか着れる服をキープしていたのですが、ここ数年ちっともダイエットできず、しかもなんだかだらしない肉のつき方をしてきているように感じていたのです。また、動かないとどんどん体力が無くなるようで、このままでは老化の一途を突き進んでしまうのでは?危機感を感じていました。

 さっそくカーブスの体験からすぐに入会し、インストラクターにも「飽きっぽい性格なのですが・・・。」と正直にお話すると「わかりました!飽きずに続けられるようにしましょう!」と心強い言葉をかけていただきました。
マシンの使い方などを覚えるために、インストラクターについてもらっての筋トレが始まった矢先、主人が自宅の階段から落ちて大けがをして救急病院に運び込まれました。打ちどころが悪く、脊髄(頸椎)を損傷し、医師の診断では一生寝たきりの生活になるだろうという話しがありました。
主人がこんな大変な事態になっているのに妻がこんなことしていていいのかとずいぶん悩みましたが、この5回の説明を受ければ自分の都合のいい時間に行けるようになるので、なんとか都合をつけてこの5回を済ますことができました。

 こんな状態であることを一人のスタッフにお話ししたら、「そうですか。じゃあ、体力つけなくちゃ!」と励ましてくれ、自分でもそうだと思い、主人のいつまで続くかわからない介護の為にも体力をつけようと考えました。

 週3回の筋トレ。買い物ついでの30分は私にとって確保できる無理のない時間でした。筋トレの30分間で自分が疲れているのか、ただやる気がないだけなのか、知ることもできました。スタッフに始める前と脈拍チェックのときに体調を気にかけてもらっているという安心感が常にありました。
カーブスでは会員もスタッフも余計な会話はしないで、黙々とプログラムをこなします。余計なおしゃべりもしない代わりに余計な気遣いもしないで済むので、そんなカーブスのシステムがその頃の私にとって精神的にとても助かりました。

 主人が救急病院に入院して2週間経った頃、知り合いが心配して主人の様子をたずねてくれました。その頃の私は絶望のさなかにいて、ただ今やるべきことをやって、一日が過ぎていくような毎日でした。
主人の容体を説明した後、私に「ところで、ケーキは作っているの?」と聞いてくれました。この人は私の手作りケーキのファンでいつもイベントの差し入れのケーキを喜んでくれていました。事故以来、ケーキを作るような気持ちの余裕はありませんでしたが、冷蔵庫にはいつでもケーキが焼けるようにパックごと玉子が常備されていて、事故前に購入していた玉子の賞味期限が切れそうになり、捨ててしまうのは心苦しいので、簡単なパウンドケーキを焼いて実家や姉たちに宅急便で送ったところでした。

「はい、焼いています。」(本当はしんどいんだけど。)
「じゃあ、大丈夫だ!」
そうか、ケーキを焼けるということは、私自身元気だということかもしれない。そんなふうに考えました。それから、頑張って時々ケーキを焼くようにしました。

 主人は首から下は思うように動きません。さらに、感染症を起こしたり、エコノミー症候群で足に血栓ができてしまい、それが肺に飛んで肺血栓を起こし一時は命にも危険が及んだ時もありました。いつ病院から主人の容体急変の連絡が入るか、携帯が鳴るたびにビクビクしていました。そして、なかなか自分の時間が取れなかったのですが、以前から通っていた音楽を楽しめるライブハウスに時々顔を出し、マスター夫婦に心境を聞いてもらい抱えている思い荷物を少し降ろさせてもらい、美味しい手作りのお食事をいただき、その後に一緒に音楽を楽しませてもらいました。ステージ遊びで、お腹から大きな声を出すと胸に溜まっているもやもやを吐き出すことができすっきりしてやっと少し笑顔がもどります。本当にありがたい場所(お店)です。

 その後、主人は血栓の治療を続けながら、リハビリ病院に転院し約6ヶ月の入院生活を終え、自宅に戻ってきました。
自宅での療養生活は手探りの介護そして家族の24時間の見守り。寒い時期だったので夜中も物音や主人の気配を気にしながらの睡眠。そんな自宅療養の間、約1時間で筋トレと買い物をすますことができるカーブスは、私にとって一人になれる貴重なひとときでした。
主人は年明け仕事始めに付き添いながら半年ぶりに出勤しました。朝夕の通勤、一日の勤務が問題なくできるか少しずつ確かめながら1ヶ月が過ぎ、2ヶ月目に入ってから朝だけ駅まで送るようになり、3か月目に入ったら、会社帰りに以前通っていたジムに寄ってウォーキングとストレッチをするようになりました。主人は医者もびっくりするくらいの回復を見せ、私の介助もどんどん減っていきました。

 私はカーブスで思いっきり筋トレができるようになり体力もついてきて、やりたいことを諦めなくてもやれるようになってきました。最近では日中出掛けて、まだ間に合いそうならカーブスに滑り込んで筋トレするこの頃です。
やりたいことをめいっぱい楽しむためにも体力をつけて元気でいられること、その為にカーブスは大切な私の生活の一部になっています。

 入会してから主人のこともあり、ずっとカーブスは私の支え励みになっていましたが、これからは少し欲を出して、入会時に目標としたダイエットにも励みたいと思います。先日、横浜で素敵な初夏の服を購入し部屋に飾っています。カッコよく着こなせる自分を目指して今、元気にカーブスに通っています。