昨年(二〇一〇年)の十二月に、気軽に受けた脳ドッグで脳梗塞がみつかりました。
ラクナ梗塞といって、血管が詰まっているけれども、まったく症状の出ない無症候性脳梗塞でした。
ただし、発作を繰り返すと病巣が増えて行き、将来的には認知症をまねく恐れのある病気です。
年一回は必ず脳ドッグを受けていて、今迄は異常はありませんでした。
血圧・血糖値・中性脂肪・コレステロール値は正常範囲でしたので、今年も大丈夫だろうと安心しきっていたのです。
それが、病名を聞いたとたん、血圧が一八〇、一九〇、二〇〇とはね上がり、心臓もバクバクと体中の血流が逆流するかのようになり、立派な高血圧の仲間入りをしてしましました。
その他の原因として考えられるのは、過剰なストレスと運動不足ではないかと思われます。
ストレスは、姑の介護などは夫に協力してもらうことによって、少しは回避できましたが、運動不足は、自分で立ち向かうしかありません。
まずは、運動不足を解消したいと思い、歩いて十分位の所にある中村橋のカーブスに申し込みをしました。
カーブスのことは、時々チラシが入っていたので「ああ、あそこにあるのか」の程度に認識はしていまいした。
もともと運動嫌いでしたので、いつかは行こうかなぐらいに留めて、その件からは考えることさえ遠ざけていたのです。
それが、すぐに申し込みをするという行動を起こしたのですから、よほど切羽詰まった気持ちになっていたのでしょう。
説明を聞いて迷っている暇はなく、即申し込み。ちょうど年末でしたから、年明けの一月四日からの開始。
本当はすぐにでも始めて、脳梗塞の再発防止、血圧の安定にあたりたかったものですから、これほど待遠しいことはありませんでした。
週二~三回位通うことに目標をたてていましたが、その間にも私の体の免疫力はどんどん下り、血液ドロドロの検査であるDダイマーの数値が七、一五になり(基準値は〇、七二以下)、これではいつ脳梗塞が再発してもおかしいと言われていました。
又、脳梗塞予防の薬や血圧を下げる薬を服用していると、薬の副作用にも悩まされ始めたのです。
乳腺が、パンパンに腫れて痛むので乳腺外来で受診し、すぐにマンモグラフィーを受けました。腫瘍が、発見され、MRIで再検査必要有りとの事。
検査の予約を待っている間に、更に胃もたれを感じ始めたので腹部超音波検査を受けました。今度も又、大腸に異常有りとの事。胃と腸の内視鏡の検査も予約。
同時に、左脇腹がシクシク痛み始めたので子宮ガンの検査も受けることになりました。検査の結果は三週間後。
検査の予約待ち、結果待ちの数週間は人間の心をこれほど不安にするものはありません。これでは、ガンノイローゼになるのも無理はないなと感じたものです。
私は、その間も落ち着かなくて、とてもじっと待っていることはできませんでした。
幸い、カーブスに申し込みがしてあったので病気の不安を書き消すように、熱心に通い始めました。
しかし、体調は悪くなるばかりです。カーブスに到着して血圧を計測すると、一四〇、一五〇と高く、動悸も激しく、何度もコーチに「体調、悪いんですけど」と弱音を吐いたものです。
でも、コーチの皆さんはその都度、「一周だけゆっくり回り、ストレッチを丁寧にしてみて下さい」とアドバイスをして下さいました。
私も「たとえ検査の結果、手術ということになっても、手術後の回復の為にも、体力はつけておこうと。もう少し頑張ってみようとかな」という気持ちが湧いてきたのです。
一ヶ月目は十四日間、二ヶ月目は二十日間も、いつの間通っていました。
そうしているうちに、各検査は半年毎に経過観察ということになり、ガンノイローゼからは開放されたのです。
しかし、脳梗塞と高血圧だけは、症状として残っていますので、何とか克服しなければなりません。
現在、三ヶ月目に入り、ようやくうっすらと汗もかくようになりました。最初は体中、冷えきっていて、ホカロンを何個も貼っていても汗ひとつ、かかなかったのです。
過去に、スポーツジムやヨガに通った経験はありますが、長くは続きませんでした。
今回初めて、運動することの重要性を身にしみて感じることができたのです。
トレーニングをしている間は「病気になんか負けるもんか」と、心の中で念じ、黙々ととりくんでいます。