私がカーブスの存在を知ったのは、娘との病院帰りにたまたま通りかかった道での事だったのです。「女性だけの30分間フィットネス」という紫色の看板が目に入りました。そしてその下には、脂肪燃焼の言葉が...。

 「ここはいったい何?」と必死に見ていたら、カーブスの扉が開いてしまい中にいるスタッフの方とバッチリ目が合ってしまったのです。これが私とカーブスの出会いでした。

 軽い気持ちでお話を伺うつもりでした。ところが話を聞いているうちに「やってみたい!」という気持ちがめばえ、その思いはどんどん強くなっていくのです。帰る頃にはどうやって主人を説得しようかとその事ばかりを考えていました。
 

 私がカーブスをはじめたかった理由は二つあります。一つは立てつづけに平たんな道で二回も転んでしまったからです。何かにつまづいてというのなら理由もあり納得もできるのですが、私は何もない所でつまづき痛い思いをしてしまったのです。

 「体力は確実に衰えてきている...なんとかしなくちゃ!」と思い、すでに近所のスポーツジムを体験しに行っていました。ところがインストラクターが男性で、そこで運動している方々も男性が多く、運動の内容もわりと本格的で、なんだかいかにもジムという感じがして、二歩も三歩も引いてしまい結局行くのを断念してしまいました。そんな時だったのです、カーブスと出合ったのは。先ず女性だけという言葉に魅力を感じました。
 

 二つ目の理由は長男が大学生活を始めるために家を出る事になったからです。淋しい、と落ち込んで毎日を過ごす事は私自身の為にも、また他の家族の為にも、自立していく息子にも良くないと思いました。何か生き甲斐みたいな事を見つけて、一日一日を元気に過ごしたいと思ったのです。これが私がカーブスへ通いたかった理由です。 ところが一つ大きな問題がありました。それは夫の説得です。実は私は七年前にうつ病と診断され、今現在も治療中なのです。
 

 うつ病は脳内の神経伝達物質であるセロトニンとノルアドレナリンという二つの物質の働きが悪くなる為に起きる病気で、心と体に様々な症状が現れます。抑うつ状態・倦怠感・頭痛・不眠・めまい・食欲不振・便秘・生理不順等々、そして精神面では、物事を全て悪い方向に考えてしまう・意欲低下・集中力がない・人と会うのが面倒・何をやってもつまらない等々病状は人それぞれです。
 

 私の場合、七年間の間に十三回の入退院を繰り返しましたが、良い先生に恵まれかなり病状は安定してきていました。ですが日によっては一歩も外出できなかったり、記憶が抜け落ちて何をやったかを忘れてしまったり、気分がすぐれず一日中横になっていたりという状態でした。ですから集団の中に入り人とかかわったりするのが大の苦手で、それが一番の不安の種でした。そんな状態の私を夫が外にだしてくれるはずがない...そう思ったのです。夫の説得には時間がかかりました。ですが結局は私の意見を尊重してくれ、病状が悪くなったらやめる事を条件に入会する事を許してくれました。(やめる気なんてありませ〜ん。)
 

 実際に運動を始めてみると楽しくて仕方ありませんでした。私の知らなかった世界でした。私はもともと運動が大嫌いで、まさか自分がこんな事を始めようとは夢にも思いませんでした。心配していた集団の中へも自然に入っていく事が出来ました。嬉しい事続きでした。何より嬉しかったのがスタッフの方のちょっとした声掛けです。「あまり無理しないでね。」「ゆっくりやっていきましょうね。」等々。緊張感がとれて、とても良かったです。又様々な人が何気なく声をかけてくれとても嬉しかったです。日中犬と二人だけで家で過ごす私にとってカーブスは人とのコミュニケーションがとれる素適な場所だったんです。
 

 カーブスを始めて変わった事は、先ず第一に気持ちが前向きになった事だと思います。それから自分も頑張れば何でもできると思えるようになった事です。うつ病の患者の場合そう思える事が難しいんです。現に私もひっ込み思案で最初からなんでもあきらめてしまっていました。他に変わった事は薬の量が一気に減りました。以前一日十八錠飲んでいた薬は今十二錠になりました。それから外来受診の数が減りました。私が明るく元気になった様子を見た先生が、「最近体調がよさそうだから診察を四週に一回に減らしてみる?」と言ってくれたのです。外来は二週間に一回という生活を六年間も続けていて、それがあたり前の様に思っていたので、この時ばかりはとても嬉しかったです。まさかこんな日が来るとは思ってもみませんでした。
 又身体的にも変わったことがあります。それは以前の私は寝る時、足が冷たくてなかなか寝付けなかったのですが、今はお布団に入ると五分もたたないうちに足が温まり眠れるようになった事です。
 

 私がカーブスに行き始めて、体重や体脂肪率等が減ったことはとても嬉しい事です。ですが何より嬉しい事は病気が良い方向へ回復してきているという事です。以前は一人で買い物へ行くことができませんでしたが、今は一人ですいすい出掛ける事ができます。なかなか行く事の出来なかった美容室へも行けるようになりました。夢だった実母との小旅行へも二回程行きました。
 

 カーブスへ通ってなぜ体の調子が良くなったのかは、正直なところ主治医さえもわかりません。ですが私の体の中で何かが起きている事は確かです。人間ですから調子の悪い日だってあります。そういう時はあまり無理せずにワークアウトを一週だけにしたり、時には休んだりして調節しています。でも殆んど毎日行ってしまいますが...。(笑) カーブスを始めて様々な病気の症状が改善したという話をよく耳にします。うつ病だって例外ではない様な気がします。それを信じて今は生活の一部となったカーブスへ、今日もそして明日も元気に通い続けていきたいです。