便秘解消におすすめの食べ物や運動を解説!
便秘は不快なだけでなく、腹痛や食欲不振の症状に悩まされることも。そんな便秘を解消し、毎日スッキリと過ごすためには、どのようなことに気をつければよいのでしょか。おすすめの食べ物や運動を紹介します。
そもそも便秘とは?
便秘とはどのような状態をいうのでしょうか。「慢性便秘症診療ガイドライン2017」では、「本来なら体外に排出すべき糞(ふん)便を、十分量かつ快適に排出できない状態」と定義しています。
便秘になる原因としては、不規則な食生活やバランスの偏った食事、運動不足やストレスなどが挙げられます。また、高齢になると便秘の人が増える傾向にあります。
妊娠中や治療中の方の便秘について
妊娠中は、つわりで食事の量が減ったり、大きくなった子宮が胃腸を圧迫したりすることで、便秘になりやすくなります。また、何らかの病気が原因で、便秘になることもあります。
ここでは、生活習慣や加齢による、慢性的な便秘について述べています。妊娠中や治療中の方の便秘については、医師に相談のうえ、対処することをおすすめします。
日常生活に取り入れたい便秘解消法① 食生活
便秘は、食生活と大きくかかわっています。栄養が偏ったり、食事の量が少なかったりすることでも便秘になりやすくなります。食事はバランスよく栄養を摂取することが大切ですが、なかでも便秘解消に役立つと言われているものを紹介します。
1:水溶性の食物繊維
食物繊維には水に溶ける「水溶性」と水に溶けにくい「不溶性」があります。そのうち、水溶性の食物繊維には、腸内の善玉菌を増やしたり、便を柔らかくしたりする作用があると考えられています。
水溶性の食物繊維は、果物や繊維の柔らかい野菜(にんじんやキャベツなど)、海藻類などに多く含まれています。
2:不溶性の食物繊維
不溶性の食物繊維は、便の量を増やして腸管を刺激したり、腸の運動を活発化させたりして、便通を整える作用があると考えられています。
不溶性の食物繊維は、根菜類やきのこ類、繊維のかたい野菜(たけのこなど)、豆類などに多く含まれています。
3:乳酸菌
乳酸菌は、発酵によって糖から乳酸をつくる微生物で、腸内で悪玉菌の繁殖を抑え、腸内環境を整える働きをしています。人体に有益な菌のため「善玉菌」と呼ばれ、整腸作用があることから、便秘にも効果的であると考えられています。
乳酸菌は、ヨーグルト、納豆、キムチ、ぬか漬けなどの発酵食品に多く含まれています。
4:水分補給
体に水分が不足すると、便に含まれる水分を吸収することから、便が硬くなります。硬い便だと排便しづらく、便秘につながります。そうならないためには、適度な水分補給が欠かせません。
5:ビタミンE
ビタミンEには、血行を促進する働きがあります。腸の血流がよくなることで、便秘の改善が期待できます。また活性酸素が増えると、腸内環境が乱れやすいと考えられています。ビタミンEには強い抗酸化作用があるため、活性酸素を取り除くことにも役立ちます。
ビタミンEは、植物油、麦芽、卵黄などに多く含まれています。
日常生活に取り入れたい便秘解消法② 運動
運動不足は、便秘をまねく要因の1つです。日常的に運動をすることで、便秘解消効果が期待できます。ここでは、日常生活で取り入れたい、おすすめの運動を紹介します。
1:筋力トレーニング(腹筋)
排便をするとき、便を押し出すのに必要な筋肉(腹筋)が弱いと、十分な腹圧をかけることができず、便秘につながってしまいます。腹筋を鍛えると、お腹まわりの血行も促進され、胃腸の働きがよくなると考えられています。また、腸と密接なかかわりのある自律神経にも働きかけて、排便をうながす効果が期待できます。
腹筋などの筋トレは、マシンや器具を使うと負荷がかかり、効率よく鍛えられますが、ここではそれらを使わないで行う自重筋トレを紹介します。
プランク
① 両ひじを床につき、うつ伏せの姿勢をとる
② かかとを上げて、つま先立ちになる
③ 頭の先から足先までが、一直線になるような姿勢をとる
④ そのままの姿勢を20秒キープする
正しい姿勢になるように、お腹に力を入れて行います。力が入ると呼吸が止まりやすいので、意識して自然な呼吸を心がけるようにします。
ドローイン
① あお向けに寝ころび、両ひざを立てる
② ゆっくり息を吸って、できるだけ大きくお腹をふくらませる
③ お腹の中の空気を絞り出すように、息を吐ききる
④ 5秒〜10秒そのままキープする(これを繰り返す)
インナーマッスルを鍛えるトレーニングです。呼吸を意識して行います。座った状態や立った状態でも行うことが可能です。
レッグレイズ
① あお向けに寝ころび、手は体の横に固定する
② 腰を床につけたまま、両脚を床から少し浮かせる
③ そのまま垂直になるまで脚を上げる
④ 床から少し浮かせたところまで、ゆっくり戻す
上半身を固定して、下半身を上げ下げするトレーニングです。使っている筋肉を意識して、呼吸をとめないように行います。
シットアップ
① あお向けに寝ころび、両ひざを90度に曲げる
② 両手を胸の前でクロスし、腕が太ももにあたるまで、上体を持ち上げる
③ ゆっくり元に戻す
上体を起こすときに、腰を床から離し、しっかりと体を起こします。そのとき、使っている筋肉を意識して行います。
ツイストクランチ
① あお向けに寝ころび、両ひざを90度に曲げて、両脚を浮かせる
② 両手を頭の後ろで組み、上体をひねりながら床から離していく
③ 右のひじで左の太ももの外側をタッチし、ゆっくり戻す
④ 反対に、左のひじで右の太ももの外側をタッチし、ゆっくり戻す
体をひねるトレーニングです。使っている筋肉を意識して、正しい姿勢で行うようにします。呼吸をとめず、無理せず自分のペースで行います。
2:有酸素運動
有酸素運動にも、便秘を改善する効果が期待できます。筋トレもそうですが、運動をすると全身の血行がよくなり、腸の働きも活発になると考えられています。また自律神経が乱れると便秘になりやすいのですが、運動には自律神経の整える効果もあります。
代表的な有酸素運動には、ウォーキング、ジョギング、水泳、エアロビスクがあります。筋トレとともに、有酸素運動も行うようにしましょう。
3:ストレッチ
ストレッチにも血行をよくする働きがあります。また、リラックス効果もあるので、便秘解消効果が期待できます。
ストレッチは運動のあとに行うことで、運動の効果そのものを高める働きもあります。筋トレ、有酸素運動とともに、ストレッチも行うとよいでしょう。
日常生活に取り入れたい便秘解消法③ 生活習慣
便秘を解消するには、食事や運動が重要ですが、それ以外にも、生活習慣で気をつけたいポイントがあります。日常生活では、つぎのことも意識するようにしましょう。
1:水分を摂る
通常の便の水分量は、70~80%と言われています。でも体内の水分が不足すると、便に含まれる水分を体内に取り込むため、便の水分量が減って、便が硬くなってしまいます。そうなると、スムーズな排便が難しくなり、便秘につながってしまいます。
水は、運動中の水分補給とは別に、1日に1~1.5リットルを目安に飲むように心がけましょう。
2:便意を我慢しない
便意を我慢すると、便がたまることに鈍感になり、便意を感じにくくなると言われています。そうすると、腸に便がたまっていても気づかず、さらにたまっていくという悪循環に陥ってしまいます。
便秘にならないためには、便意を感じたら我慢しないことも大切になります。
3:ストレスをためすぎない
ストレスも便秘の原因になります。ストレスを感じると自律神経が乱れて、腸の動きが悪くなると考えられているのです。
日常生活ではストレスをためないことも意識するようにしましょう。運動にはストレス発散や自律神経を整える効果もあるのでおすすめです。
4:無理なダイエット・食事制限は控える
無理な食事制限をしている人は、便秘になりやすいと言われています。食物繊維などの栄養素が不足することもありますが、食事の量が少ないことで便の量も減ってしまうことも要因になります。
ダイエットは摂取カロリーと消費カロリーのバランスが大切です。食事はバランスよく食べて、運動をして消費カロリーを増やせば便秘対策にもなり、一石二鳥と言えるでしょう。
5:規則正しい生活をする
規則正しい生活をすることは、自律神経を整えて、スムーズな排便につながります。食事も1日3食、できるだけ決まった時間に食べるようにしましょう。
とくに朝食を食べることは、体内リズムを整えて、排便をうながしやすくします。朝食後にトイレに行く習慣をつけると、排便の習慣もつけやすくなります。
6: 自分に合ったケアを継続する
慢性的な便秘には、継続したケアが必要になります。一時的な対策で終わらせず、自分に合ったケアを続けるようにしましょう。
ここで紹介している食事や運動なども、続けることが効果につながります。生活のなかに組み入れて、習慣にするようにしましょう。
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「便秘解消におすすめの食べ物や運動を解説!」まとめ
慢性的な便秘には、生活習慣を見直すことが大切。運動習慣をつけやすいカーブスで、あなたもスッキリとした毎日を手に入れませんか。