ダイエット中の1日摂取カロリー目安は? 計算方法と効率よくカロリー制限する方法を解説!
ダイエットをしようとあれこれ試してみても、間違ったやり方をすると、痩せないばかりか、かえって太りやすい体になるってご存じですか? ダイエットをするなら、摂取カロリーと消費カロリーのバランスが大事。そこでここでは、摂取カロリーの目安や計算方法、効率よくカロリーを制限する方法などを紹介します。
1日の摂取カロリー計算がダイエットに欠かせない理由
摂取カロリーが多すぎると太る
人は、なぜ太るのか。その答えはいたってシンプルで、摂取カロリーが消費カロリーを上回るから太るのです。ダイエットをしてもなかなか痩せないという人は、まずは自分がどのくらいのカロリーを摂取しているのか、チェックすることから見直していきましょう。そんなに食べていないつもりでも、カロリーがオーバーしていることが考えられます。
摂取カロリーが少なすぎても太りやすい
摂取カロリーは少なければよいのかというと、そういうわけではありません。人が生きていくうえで、最低限必要なエネルギーがあります。それを基礎代謝と言います。摂取カロリーが基礎代謝量を下回ると、体が飢餓状態に備えようとエネルギーの吸収率を上げて消費エネルギーを下げるため太りやすくなります。また筋肉が多いほど基礎代謝が高く消費エネルギーも多くなるのですが、摂取カロリーが少なすぎると筋肉を分解してエネルギーをつくり出そうとするため、筋肉が減ってさらに太りやすくなるのです。
1日に摂取するカロリーの目安
厚労省の「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」によると、1日に必要とするカロリー(体重1kg当たり)の目安は、 身体活動レベルに応じて、つぎのように推定されています。
<体重当たりの推定エネルギー必要量>
※身体活動レベル
Ⅰ(低い) … 1日のうち、座っていることがほとんどの人
Ⅱ(ふつう)… 座り仕事が中心だが、軽い運動や散歩などをする人
Ⅲ(高い) … 立ち仕事や移動が多い仕事、または活発な運動習慣のある人
厚労省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」
たとえば、30~49歳の女性で体重50kg、身体活動レベルが「ふつう」の人の場合は、38.4kcal × 50kg = 1,920kcal となります。
ダイエット中の目安となる1日摂取カロリーの計算方法
ダイエット中の摂取カロリーの目安については、「目標体重を設定する」「自分の基礎代謝量を知る」「1日の消費カロリーを計算する」「1日の摂取カロリーを計算する」のステップで考えます。
1.目標体重を設定する
ダイエットをするなら、まずは目標にする体重を決める必要があります。その際の基準となるのがBMIです。BMIは肥満度を表す体格指数で、日本肥満学会の基準では、つぎのように分類されます。
BMI 18.5未満 ・・・ 低体重(やせ)
BMI 18.5以上25未満 ・・・ 普通体重
BMI 25以上 ・・・ 肥満
標準体重はBMIが22で、この数値が「もっとも病気になりにくい」とされています。ダイエットをする場合は、健康のためにもBMI=22をめざすとよいでしょう。
BMIは、つぎの計算式で求められます。
BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
たとえば、体重65kg/身長165cmの人であれば、
BMI = 65(kg) ÷ 1.65(m) ÷ 1.65(m) = 約24
になります。これをBMI=22にするには
1.65(m) × 1.65(m) × 22 = 約60kg
で、約5kgの減量が必要ということになります。
2.自分の基礎代謝量を知る
基礎代謝量は、基礎代謝基準値 × 体重で算出されます。つぎの表にある「基礎代謝基準値」を参照して、自分の基礎代謝量を計算してみましょう。
<参照体重における基礎代謝量>
厚労省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」
たとえば、50歳の女性で、体重60kgの人なら、基礎代謝量は
基礎代謝基準値(20.7kcal) × 体重(60kg) = 1,242kcal
なります。
3.1日の消費カロリーを計算する
消費カロリーは、基礎代謝量 × 身体活動レベルで算出されます。つぎの表を参照して、自分の1日の消費カロリーを計算してみましょう。
厚労省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」
たとえば、前述の女性(50歳・体重60kg)がまったく運動をしていないとすると、1日に消費されるカロリーは、
基礎代謝量(1,242kcal) × 身体活動レベル(低い・1.50) = 1,863kcal
になります。
4.1日の摂取カロリーを計算する
体重を落とすなら、摂取カロリーは消費カロリーよりも下回る必要があります。とはいえ、生命を維持するために必要な基礎代謝量を下回るのは危険です。食事を減らしすぎると、体が飢餓状態にあると判断し、ホメオスタシス(環境が変わっても体の状態を一定に保とうとする)機能が働いて、かえって太りやすくなります。摂取カロリーを計算する場合は、1ヵ月に1kg程度の減量を目安に、消費カロリーとのバランスで考えるようにしましょう。
1ヵ月で体脂肪を1kg落とすには、7000kcalのエネルギー量を減らす必要があります。1日あたりに換算すると約230kcalです。前述の女性(50歳・体重60kg・身体活動レベルが低い)にあてはめると、1日の消費カロリー(1,863kcal) - 230kcal = 1,633kcalが1日の摂取カロリーの目安になります。ただし、運動をして消費カロリーを増やせば、そのぶん摂取カロリーも増やすことができます。
カロリー制限ダイエットの特徴
カロリー制限ダイエットの特徴としては、つぎのことが挙げられます。
実践しやすい
カロリー制限ダイエットの特徴は、シンプルでわかりやすいことです。摂取カロリーが消費カロリーを上回らなければよいので、あまり細かいことを考えずに実践することができます。面倒なカロリー計算も、最近では食べたものを入力するだけで、自動で算出してくれるアプリなどもあるので、気軽に始めることができます。
自分で調整できる
たとえ食べすぎたとしても、意識して体を動かすなど消費カロリーを増やすことで調整できるのもよいところです。運動をして筋肉量が増えれば、基礎代謝量を上がり消費エネルギーも増やすことができます。そうすると、摂取カロリーをそれほど減らさなくて済むので食事制限のストレスも軽減することができます。
効率よくカロリー制限をする方法
効率よくカロリーを制限する方法には、つぎのことが挙げられます。
脂質の摂取を抑える
脂質が多く含まれている食品ほどカロリーは高くなります。炭水化物やたんぱく質とくらべて、脂質のカロリーは倍以上あります。そのため、カロリーを抑えるには脂質を控えるのが効率的と言えます。肉の脂身を取り除いたり、ドレッシングをノンオイルに変えたりするだけでも、脂質を下げることができます。
カロリー計算ツールを活用する
食事のカロリーを自分で計算するのは大変です。それが続かない原因になってしまっては元も子もありません。最近では、簡単にカロリー計算ができるソフトやアプリも出回っています。通常の食事だけでなく、外食チェーンのメニューやコンビニ食品のカロリーまでわかるアプリもあるようなので、自分の生活パターンに合ったものを選ぶとよいでしょう。
運動をして筋肉をつける
運動をすると消費カロリーが増えるので、食べる量をそれほど減らさなくても減量することができます。また筋肉が増えると基礎代謝が上がり、何もせずにじっとしていても消費されるカロリーが増えるので、とても効率的です。ダイエットをするなら、食事の摂取カロリーと運動の消費カロリーの両面から考えるようにしましょう。
カロリー制限を行う際の注意点
カロリー制限ダイエットは誰もが取り組みやすいものですが、気をつけないと逆効果になってしまうこともあります。実践する際は、つぎのことに注意するようにしましょう。
バランスよく栄養を摂取する
カロリーを抑えたいからと言って、特定の栄養素を過度に控えるのはよくありません。健康のためにも、さまざまな食品からバランスよく栄養を摂取するようにしましょう。なかでも、筋肉の材料となるたんぱく質が足りないと、ダイエットにとっても逆効果になります。意識して摂るようにしましょう。
食事を減らしすぎない
食事を減らしすぎると、ホメオスタシス機能が働いて、エネルギーの吸収率を上昇させ、消費するエネルギーを減少させます。すると、少しの食事でも太りやすく、運動しても痩せにくくなります。また過度な食事制限は筋肉の減少を招き、さらに太りやすい体になってしまいます。体重を減らす場合は、ホメオスタシス機能が働かない範囲(1ヵ月に1~2kg、多くても体重の5%以下)のペースにとどめるとともに、筋肉を減らさないように注意しましょう。
運動とセットで行う
食事だけでダイエットをしようとすると、思ったような効果が得られなかったり、健康に支障が出たりと、うまくいかないことも少なくありません。またリバウンドしてしまう原因にもなります。そうならないためにも、食事で摂取カロリーを減らすだけでなく、運動で消費カロリーを増やすことが大切です。とくに筋肉を増やすことは、痩せやすい体づくりやリバウンドを防ぐためにも重要になります。運動をする場合は、ウォーキングなどの有酸素運動だけでなく、筋肉を鍛える筋力トレーニングも行うのがおすすめです。
「ダイエット中の1日摂取カロリー目安は? 計算方法と効率よくカロリー制限する方法を解説!」まとめ
体重を減らしたいからと言って、極端な食事制限をすると筋肉も落ちてしまい、かえって太りやすい体になってしまいます。ダイエットをするなら、食事と運動の両面から、摂取カロリーと消費カロリーのバランスを取ることが大切です。
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