筋肉は美しさを支えるマットレスである【専門家監修】
筋肉をマットレスにたとえてみましょう。私たちのマットレスは、30代以降、年1%の割合で徐々に減っています。でも、きちんと対策をとっていれば、いつまでも弾力を保てるのです。
「ボディの質感の美しさ」は、中身が詰まっているかどうかで決まるのではないでしょうか。風船はパンパンに空気がつまっていれば、弾力やハリがあってよくはずみますが、時間がたって空気が抜けてくると、だらんとたるんでしわくちゃになってきます。果物なども中身の果肉がぎっしりつまっていておいしいかどうかは、見た感じの質感に現れるものですよね。
肌の質感の美しさは筋肉に支えられている
これは、肌も同じです。質感のある美しい肌には、「筋肉」という中身がしっかりつまっています。肌の下に「筋肉」という厚いマットレスがあって、このマットレスが「ハリ」「緊張感」「弾力」「しなやかさ」といった肌の質感を生み出すもとになっているのです。すなわち、肌の質感の美しさは、筋肉というマットレスによって支えられているのだということ。もし、このマットレスが少なくなってしまったら、肌は空気が抜けてしぼんだ風船のようになってしまうでしょう。あちこちがたるんできたり、しわが寄ってきたりして、見た目の質感が大きく失われていくことになりかねません。
筋肉のマットレスは年々減っていく
ところが、私たちのマットレスは、30代以降、年1%の割合で徐々に減っているのです。何も対策をとらなければ、5年で5%、10年で10%、20年で20%減っていくことになります。そうやって歳とともに年々中身が減っていけば、いつの日か「しぼんだ風船」のようになってしまうのは目に見えていますよね。
では、どんな対策をとればいいのか。そう。日々筋トレを行っていれば、マットレスが細っていくことはありません。だからこそ、肌や体の質感をキープしていくためにも、筋トレに励むべきなのです。最近は、肌や体の美しさをキープする目的で筋トレを行う女性もだいぶ増えてきたようです。きっとこれも、「中身のマットレスをしっかり維持していかないことには、肌の質感をキープできない」ということに多くの女性が気づき始めた証しなのでしょう。
ですから、ぜひみなさんもしっかり筋肉というマットレスを維持していくようにしてください。そして、10年経っても20年経っても、衰えることのない「質感のある美しさ」を保っていくようにしましょう。
筑波大学 人間総合科学学術院 教授
久野 譜也先生
朝日新聞、読売新聞、NHK「ニュース7」、TBS「あさチャン」日本テレビ「世界一受けたい授業」等に出演し、コロナウィルスに負けない健康づくりについて語る。日本介護福祉・健康づくり学会副会長を務める。著書に「寝たきりになりたくないなら大腰筋を鍛えなさい」「病気にならない背筋と腹筋の鍛え方」(PHP出版)「サルコペニア肥満ダイエット」(朝日新聞出版)など多数。