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気づきにくい更年期症状、最新情報と上手な付き合い方を紹介【専門家監修】

頭を抱えている女性(頭痛、ストレス、悩み、自律神経の乱れなど)
目次

2022年3月に実施した厚生労働省の「更年期症状」に関する意識調査で、50代女性の4割が「更年期障害の可能性がある」にもかかわらず、8~9割の人が医療機関を受診していないことが明らかになりました。閉経前後の不調の種類は200以上もあり、それが更年期症状だと気づいていない人も少なくないようです。


参考:厚生労働省「更年期症状・障害に関する意識調査」

肩や腰を抑えている女性(痛み、しびれ、不調や違和感など)

そこでここでは、日本を代表する産婦人科医・高尾美穂先生と、更年期症状の研究が進んでいる欧米より、フィンランド、ユヴァスキュラ大学研究者・エイヤ・ラッコネン氏に伺ったお話を中心に、更年期に関する最新情報と上手な付き合い方を紹介します。

  • 高尾 美穂 氏 プロフィール

    産婦人科専門医。女性のための統合ヘルスクリニックイーク表参道副院長。医学博士。婦人科スポーツドクター。
    東京慈恵会医科大学大学院修了。「全ての女性によりよい未来を」をモットーに、婦人科診察を通して女性の健康をサポートするほか、テレビや雑誌、イベント等でも精力的に啓発活動を行う。親しみやすいキャラクターと優しくわかりやすい解説が大人気。プロアスリートのメディカル・メンタルサポート、女性アスリートに向けた、医学的知識の提供などにも積極的に参加。日本スポーツ協会においては、スポーツドクターの養成に携わっている。著書に『いちばん親切な更年期の教科書 閉経完全マニュアル』など。

  • エイヤ・ラッコネン (Eija Laakkonen)氏 プロフィール

    ユヴァスキュラ大学 准教授。1997年にメトロポリア応用大学を卒業。2003年にヘルシンキ大学にて博士号を取得。2011年にユヴァスキュラ大学にて博士課程を修了(老年学と公衆衛生)。その後、約3年間の研究員としての研究期間を経て、2012年よりユヴァスキュラ大学にて勤務。専門は分子生物学、主に加齢、身体活動、およびそれらの相互作用の生物学的側面と健康との関連について基礎から応用研究の幅広い研究手法を用いて調査を進めている。[ユヴァスキュラ大学]1863年に創立された、フィンランドで最も歴史ある大学のひとつ。スポーツ科学分野における研究は、世界的にも高く評価されている。

世界的に関心が高まる「更年期症状」

世界的に更年期症状への関心が高まっているいま、とくに欧米諸国が世界をリードして対策に取り組んでいます。日本ではまだ普及率が少ないホルモン補充療法(HRT)も、欧米では15~20年の実績がある一般的な治療法になっています。また、イギリスでは2021年から中学校で「更年期症状」を学ぶ授業が組み込まれました。行政、医療機関、企業、教育機関が一丸となって、更年期をサポートする動きが高まっており、わからなかったことが多かった更年期症状についての研究も進んでいます。

アジア人女性は「痛み」を感じる傾向も          

スポーツ健康科学分野で高く評価されるフィンランド・ユヴァスキュラ大学の研究では、更年期症状の対処法として、つぎのようなことが明らかになっています。

  1.  閉経期のエストロゲン欠乏が、筋肉量を減少させる。中年期からのレジスタンス運動(筋トレ)は予防に効果的※1
  2.  運動している人は運動していない人に比べ、閉経後の生活習慣病の指標(ウエストまわり、血圧、血糖値、コレステロール、中性脂肪)の衰えが少ない※2
  3.  運動している人は運動していない人に比べ、閉経後のうつ症状を感じる人が少ない※3
下半身を鍛えるマシンで、大腿四頭筋・大殿筋・ハムストリングス・腸腰筋の筋トレを行う女性

同大学で調査・研究に携わるエイヤ・ラッコネン氏によると、更年期症状は人種によっても違う傾向があるそうです。アジア人女性は、白人女性と比べて「筋肉痛や関節炎など痛み」をともなう症状を感じる人が多いようです。一方で、白人女性に多いホットフラッシュの症状を感じる人は少ない傾向にあるということです。

腰痛・関節痛のイメージ(ぎっくり腰、椎間板ヘルニアなど)

閉経後の不調の種類は200以上、気づかない人も

女性のための統合ヘルスクリニック イーク表参道副院長で、スポーツドクターとして多くの女性を診察してきた高尾美穂医師は、閉経前後に現れる不調の種類は200以上あると言います。そのため、女性ホルモンの変化からくる不調だと気づきにくいと言います。

肩こり、腰痛、関節痛などの「痛み」を伴う運動器系の不調は、コラーゲンが維持できなくなり骨量が低下するため骨がもろくなる、また関節の動きが悪くなり痛みが出たり手指のこわばりを感じたりすることが原因です。不調に悩む女性の約5割が「肩こり・首こり」があるとの回答もあります。※4

ベッドの上で首から肩を押さえている女性(体の痛み、寝つきの悪さ、不眠など)

運動器系の他にもさまざまな不調があります

血管運動神経系
自律神経が乱れて体温調整がうまくできなくなり症状があらわれます。

ホットフラッシュ、発汗、寝汗、動悸、冷えなど

精神神経系
自律神経系の乱れやメラトニンの減少により、不眠症になったり気持ちが落ち込みやすくなったり、攻撃的になったりします。

頭痛、不眠、うつ状態、イライラするなど

悩んでいる女性、頭を抱えている女性(ストレス、痛み、頭痛、ホルモンバランスや自律神経の乱れなど)

消化器系
自律神経の乱れや加齢などから、食欲不振や胃もたれ、胃痛、排便トラブルなど胃腸に不調をきたします。

食欲不振、胃もたれ、下痢、便秘、腹部膨満感、胃痛など

皮膚・分泌系
コラーゲンを維持できなくなり、全身が乾燥します。そのため皮膚がかゆくなったり、傷がつきやすくなったりします。

皮膚・粘膜の乾燥、口の乾き、ドライアイ、湿疹など

泌尿器・生殖器系
月経周期や月経量の変化が、もっともわかりやすいサインです。膣粘膜が弱くなって炎症が起こると性交渉がつらい、骨盤底筋が弱くなって尿漏れが起こる、子宮などの内臓が下がる骨盤臓器脱など、さまざまな不調が起こります。

月経異常、尿漏れ、頻尿、外陰部搔痒症、骨盤臓器脱、性交痛など

下腹部を押さえている女性

気軽に「婦人科」で受診を

高尾医師は「思い当ったらまずは『婦人科』に相談してください。婦人科では、足りなくなった女性ホルモン(エストロゲン)を補うホルモン補充療法(HRT)など、自身の症状に合った治療を受けられます。ほかの病気が隠れている可能性もありますし、医師と話すだけでも気持ちが楽になることがあるので、『体調不良で困ったら困りっぱなしにしないでほしい』」と話します。まずは気軽に、検査を受けるだけでもいいので相談してみることをおすすめします。

病院で医師に診察を受ける女性

「にこにこペース」でできる運動が症状を軽くする

また、症状とうまく付き合うには、日頃の生活習慣を整えることも大切だと高尾医師は言います。「閉経前後5年間ずつ、合計10年間の『更年期』は、エストロゲンなしで過ごす体に慣れるための準備期間とも言えます。卵巣機能が完全に終了してエストロゲンのサポートが受けられなくなってからも人生は数十年続きます。適度な運動、バランスの良い食事、良質な睡眠が症状の重さに大きくかかわってきます。

運動はとくに腰痛などの慢性痛や、肩こりなどの症状に効果的です。筋トレ、ストレッチなどを組みあわせ『にこにこペース』でお隣の人と会話ができるくらいの強度が望ましいです。一番大切なのは、楽しく続けられる運動であることです。運動は、ご自身の人生への最大のギフトです。いいことしかない!自分らしい人生を過ごしましょう」

上半身の筋トレを行う女性(大胸筋、菱形筋、広背筋の筋力トレーニング)

更年期症状にもおすすめ、運動をするなら「カーブス」へ   

専門家の先生も勧めている運動…、でも苦手だし、どんな運動をしたらいいのかもわからない…、そんな方こそ「にこにこペース」でできる、カーブスの運動がおすすめです。
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  • プロのコーチ・・・あなたに合わせたサポートだから効果が出る

まとめ

あなたの気になっている症状も、じつは更年期と関係があるのかもしれません。それでなくても、適度な運動は、これからの人生を健康に過ごしていくうえで欠かせないものです。簡単な運動でも効果が高く、コーチのサポートがあって続けやすい、しかも、食事のアドバイスまでもらえるカーブスで、あなたも楽しく運動を続けてみませんか?

※1(原文) UNIVERSITY OF JYVÄSKYLÄ – JYVÄSKYLÄN YLIOPISTO
「Study reveals a new potential mechanism underlying loss of muscle mass during menopause」
※1(和訳)実験老年学「閉経中の筋肉量減少の根底にある新しい潜在的メカニズム」

※2(原文)UNIVERSITY OF JYVÄSKYLÄ – JYVÄSKYLÄN YLIOPISTO
「Higher physical activity is associated with a better metabolic health risk factor profile in menopausal women」
※2(和訳)国際肥満学雑誌「身体活動が更年期の代謝変化を好転させる?」

※3(原文)UNIVERSITY OF JYVÄSKYLÄ – JYVÄSKYLÄN YLIOPISTO
「Physical activity contributes to positive mental well-being in menopausal women」
※3(和訳)更年期「活発な運動は閉経期女性の精神的健康に貢献」

※4高尾 美穂著「いちばん親切な更年期の教科書【閉経完全マニュアル】」 (健康美活ブックス)

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