体力の新常識 | 体力低下の正体は「筋肉不足」【専門家監修】
監修: 早稲田大学 スポーツ科学学術院 名誉教授 樋口 満 教育学博士
ハンガリースポーツ科学大学 名誉博士。運動と食生活による健康増進など、これまでの功績から、2018年に第20回秩父宮記念スポーツ医・科学賞功労賞を受賞。
「体力の正体は筋肉」「女は筋肉 男は脂肪」「スポーツする人の栄養・食事学」(集英社新書)など著書多数
Q.体力の衰え、歳だから仕方ないの?
早稲田大学 スポーツ科学学術院名誉教授 樋口 満先生にお答えいただきました!
疲れやすくなった、すぐに息切れがする…。個人差はありますが、40歳頃から何となく体力の衰えを感じ始めたということはありませんか?そして50歳になる頃には一気に急降下。「歳だから仕方ない」という声をよく耳にしますが、じつは、あなたの体力は、まだまだ取り戻せるのです。
体力のピークは20歳頃、50歳から一気に落ちる
体力を取り戻すカギとなるのが「筋肉」です。筋肉は成長とともに増えていきます。女性のピークは20歳頃で、その後しばらく維持したのち、あれよあれよという間に低下の一途をたどり、50歳を過ぎた頃からは、減る速度が急激に速まります。とくに、ふだん運動をしない人は毎年1%程度落ち、70歳になるとピークの約半分近くにまで減ってしまいます。50歳を過ぎた頃から突然疲れやすく感じるのは、この「筋肉の減少」が影響しているのです。
体力の正体は筋肉 使わないとすぐに衰える
「体力」ととくに関係しているのが、下半身と体幹(お腹まわり、背中、腰、お尻まわり)の筋肉です。
下半身や体幹の筋肉が減ると、歩幅が狭くなり、歩く動作に支障が出て、少し動くのもひと苦労です。だからと言って、あまり動かない生活をしていると、筋肉はあっという間に衰えます。「老化は脚から」と言われるように、真っ先に衰えるのが下半身の筋肉。ある実験ではベッドから下りない生活を3週間続けた人は、下半身の筋力が20%も低下していました。
さらに、これらの筋力が低下すると、転倒しやすくなり、将来的には、誰かの介助なしでは歩けなくなる可能性にもつながっていきます。
何歳になっても筋力は高められる
筋力が落ちてしまったら、もう仕方ないのでしょうか?答えは「ノー」です。たとえ80歳になっても90歳になっても、適切な強度のトレーニングを続けて行えば、筋肉量は増加し、筋力が回復することはさまざまな研究結果に示されています。
筋肉の機能をより高めるのに「もう遅い」はありません。「いつまでも歩ける体」「いつまでも動ける体」をキープできるよう、下半身と体幹の筋肉を鍛えましょう。
まとめ
体力を取り戻すためには、年齢とともに減っていく筋肉をつけること。筋トレをすると、筋力や肺活量が上がり体力がつきます。何歳になってもトレーニングを行えば筋肉をつけることができます。さっそく今日から、始めてみませんか?
私たち「カーブス」でこうなりました!
※カーブスでの運動とともに日常生活に注意した結果です
※ご年齢は取材当時のものです